【短編】神代・黄泉(白×丁・白×子鬼灯)

□地獄の小さな鬼
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今日、起きて早々に天帝の御前に上がれとの連絡が来た。

慌てて身支度を済ませて宮殿へ向かう。

天帝が居る部屋に通され、玉座に鎮座する天帝の前に跪く。

「お待たせいたしました・・・神獣白澤、只今御前に参りました。」

「おお、来たな白澤よ。早朝に呼び出して悪かったな。」

「お気になさらないでください。本日はいかがなさいましたか?」

「そなたも知っているかもしれんが・・・最近になって地獄で行き場が分からず彷徨っている死者が増えておる。」

「はい、少しですが聞き及んでおります。」

先日、宮殿に薬を納めに来た際、官吏がそのようなことを言っていた。

始めこそ気に留めなかったが、天帝の顔色からして、あまり良い状況では無いらしい。

地獄に行き着いても、どこへ行けば良いか分からない為、入口に死者が留まってしまっている。

天国は行政管理がしっかり成されているし、人手も十分足りているので問題無い。

一方、地獄は部署自体は形成されているが、そこに就く人手が全くと言っていい程足りていない。

その為、部署などあって無いようなものだ。

「それなら話が早い。その中でも特に日本地獄の状態が悪いらしい。そなたには日本地獄へ行って、彷徨う死者を導いてやってほしいのだ。」

「導く・・・ですか?」

「ああ、死者の罪状を把握してそれに合う部署に連れて行くのだ。これは神にしか出来ぬことだ。」

「畏まりました。」

「頼んだぞ。既に麒麟も鳳凰も地獄に赴いておる。そなたも行って合流するがいい。」

「はい、それでは失礼いたします。」

踵を返して部屋を出る。

取り敢えずは中国地獄に行って、鳳凰たちから話を聞いてみよう。

そして、そのまま中国地獄へと向かった。











「あ、白澤〜」

中国地獄に着いてすぐに鳳凰と合流できた。

「お前も天帝から言われて来たの?」

「うん、なかなか大変そうだね。」

鳳凰の表情には疲れの色がくっきり出ていた。

周りを見渡すと亡者だらけ。

導いても導いても限が無いのだろう。

「ほんとだよ〜次から次へと・・・もぉ〜」

はぁ、と溜め息を吐く鳳凰。

「ここもだけど、日本地獄の方が深刻なんだって。人手が全然足りなくて部署が全く機能していないんだ。」

「うぇ?!そんなんでどうやって回すんだよ・・・はぁ、こっちで良かった・・・」

今度は安堵の息を吐いている。

「麒麟は?」

「あいつならもっと北の方で仕事してるよ。なるべく散った方が効率良いし。」

この亡者の数じゃ、効率も何もあったもんじゃないけどね、と付け足す。

「忙しいのに邪魔してごめんね。僕ももう行くよ。」

「うん、無理しないでよね。」

「分かってるよ、じゃあね。」

軽い挨拶を交わしてから、日本地獄へ向かった。

中国と日本はそう離れていない為、ものの数刻で着いた。

さて、どこから手を付けていいのやら・・・

どこを見ても亡者亡者亡者・・・

まだ何もしていないが、頭が痛くなってきた。

取り敢えず、地獄の門の前に溜まってしまっている亡者から捌いていくことにした。

亡者の目をじっと見つめて、神力を使って罪状やそれに対する判決を視る。

「お前は殺生故の黒縄地獄。ここから北に真っ直ぐ行け。」

部署の場所を教え、そこへ行くように指示する。

これを延々と繰り返すのだ。

部署が機能していないと聞いているが、このまま入口に停滞する亡者が増えるよりかは、各々の部署に導いてやる方が効率は良い筈だ。

部署の人手不足問題については後々解決していくしかない。

今はとにかく・・・

亡者の群れに向き直る。

この亡者たちを振り分けるのが先だ。
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