【短編】神代・黄泉(白×丁・白×子鬼灯)

□気持ちのいい朝
1ページ/2ページ

鳥のさえずりと朝日の眩しさで目を覚ます。

「うん、今日も良い天気だね〜」

起き上って伸びをする。

隣を見やると、丁が健やかな寝息を立てて眠っている。

よく寝ている。

布団から覗く小さな顔を見つめる。

頬はふっくらしていて触り心地が良さそうだ。

大きな瞳は今は閉じられていて、長い睫毛がより際立つ。

「丁は可愛いね〜」

眠る幼子の頭をふわりと撫でる。

さらさらの髪がまるで絹のようだ。

「今日は何して遊ぼうか?」

「今日は何の勉強がしたい?」

答えが返ってこないのは分かっているが、丁に訊ねる。

この子がうちに来てから毎日が新鮮なものに感じられた。

朝起きて、遊んで、勉強して、ご飯食べて、お風呂入って、一緒に寝る。

そしてまた朝が来る。

一日の流れは至極単純なものだが、それが面白くて楽しい。

この子は、僕を恩人の様に言うけど、逆だ。

僕がこの子と出会ったことで救われたのだ。

いつも一人だった僕に毎日を生きる楽しさを教えてくれている。

「ありがとう、丁。」

もう一度、頭を撫でる。

すると、小さく声を上げ、眉を微かに顰めた。

「ん・・・」

丁の瞼がゆっくり開かれていく。

そして、僕をその瞳に映す。

「おはよう、丁。」

今日も良い天気だよ、窓を振り返る。

「おはようございます、はくたくさま。」

丁はぽやんとした可愛らしい声で挨拶してくれた。

丁がゆっくりと身体を起こす。

まだ睡魔と闘っているのか、目を擦り始めた。

「ああ、目を擦っちゃだめだよ。傷が付いちゃうからね。」

「あ・・・はい。」

聞き分けの良い丁はすぐに目元から手を離した。

「いい子だね。さあ、顔を洗いに行こう。」

丁をひょいと抱き上げて、庭の井戸へ向かった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ


©フォレストページ