【短編】神代・黄泉(白×丁・白×子鬼灯)

□いやなゆめ
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・・・・・・。

『・・・・・・!!』

ん・・・?

はくたく・・・さま?

此処はどこだ・・・?

森・・・?

『丁!!』

「え・・・?」

『貴様、今まで何処に行っていた!!』

なんだ・・・?

「なんで、わたし・・・・・・」

『今夜は大事な儀式があるのだぞ!手を焼かせるな!』

儀式・・・?

まさか、雨乞いの・・・?

「どうして・・・?!」

『さっさと帰るぞ!!』

強く手首を掴まれ、引っ張られる。

「ぁ・・・・・・!」

痛い・・・!!

なぜ、村人がここに・・・?!

わたしは、はくたくさまと暮らして・・・

・・・!!

はくたくさまは?!

『ほら、さっさと歩け!』

どこ・・・!?

「はくたくさま!どこにいらっしゃるのですか?!」

わたしは必死にはくたくさまの姿を探した。

「丁・・・」

「!!」

はくたくさまがわたしの前に現れた。

「はくたくさま・・・!」

「丁・・・今日で、さよならだ・・・。」

わたしと目を合わすことなく、彼はそう言い放った。

「え・・・?」

「僕は、神だ。人間の事情に干渉してはいけない。」

そんな・・・はくたくさま・・・

「お願いです!助けてください・・・!」

「・・・・・・」

『いい加減にしろ!この餓鬼!!』

またも強い力で手を引かれた。

「はくたくさま!!いや・・・!!」

「丁・・・。強く生きなさい。」

はくたくさまはそれだけ言うと、踵を返した。

「行かないで・・・!お願い・・・っ!」

わたしは力いっぱい手を伸ばしたが、彼には届かず、虚しく空を切った。

「いやだ・・・死にたくない・・・!」

はくたくさまは振り返らない。

嗚呼・・・。

また、地獄に戻ってきてしまった・・・。

「いや・・・いや・・・!たす・・・け・・・て・・・」

わたしのこの声だって、虚しく風に混じるだけ・・・。

もう・・・どうでも、いい・・・

瞬間、頭に激痛が走った。

今度はなんだ・・・?

嗚呼、此処で死ぬのか・・・

わたしは目を閉じた。

全てが真っ暗になった。
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