【短編】神代・黄泉(白×丁・白×子鬼灯)

□甘えを知らない子
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僕は今日、みなしごを拾った。

現世の様子を見に行った際、妙に弱い人間の生気を感じたので、探してみたら茂みで蹲っている子どもを見つけた。

「坊や、こんなところでどうしたの?」

「・・・」

子どもは何も答えない。

生気がこんなにも弱って・・・具合でも悪いのだろうか?

あれこれ考えていると、子どもが口を開いた。

「だれ・・・ですか?」

「!!」

消え入りそうな声だ。

「わたしは・・・もう戻りません・・・戻ったら殺される・・・!まだ、死にたくない・・・っ・・・」

子どもは顔を上げずにそう言った。

今、何と言った・・・?

殺される・・・?

この子が住んでいる村はどうなっているのだ・・・

「大丈夫だよ。僕はお前を傷つけたりしないよ。」

恐がらせないように優しく声を掛けた。

「・・・・・・」

子どもは恐る恐る顔を上げて僕を見た。

その大きな瞳は涙で濡れていた。

「泣いていたのかい?」

「・・・・・・」

「何故、泣いていたのかな?」

僕はしゃがんで子供と目線を合わせた。

「・・・丁はみなしごだから、みんなから嫌われているのです。」

「うん・・・。」

子どもはぽつりぽつりと話し出した。

この子は自分のことを『丁』と言った。

『召使い』の意だ。

「最近は雨が降らないから畑の作物が育たないそうです。だから、明日の晩に雨乞いの儀式をするそうです・・・」

「・・・・・・うん。」

その先は容易に想像がついた。

「その儀式の生贄にわたしを使・・・っ?!」

僕は堪らなくなって、目の前で震えるその子を抱きしめた。
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