♪賜りもの♪

□美空様より頂戴した白+子鬼灯の小説♪
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その時先程は寝惚けていてあまり解らなかった鬼灯の顔がはっきり見える

白い肌につり目ぎみの大きな瞳、小さくプルンとした唇、整った顔立ちに白澤はまた驚く



『どうかしましたか?』

様子の可笑しい白澤に白澤の顔を覗きこんだ


「!…いや、何でもないよ」


そういえば、白澤はまだ自分が獣姿だった事を思い出し人形になる


ポンッ


「ふぅ…あれ、どうしたの?」


『モフモフがなくなりました…』


残念そうに言う鬼灯に白澤はあー、と少し困った顔をする


「獣姿の方が良かった?」

『すみません、私モフモフしたものが大好きなので』


「こっちの方が動きやすいんだ。でも鬼灯が望むなら何時でもモフモフしに来て良いよ」



白澤は優しく鬼灯の頭を撫でる


その行為に少し吃驚した鬼灯だがはい、と返事をして髑髏を持って烏頭達の元へ帰って行った





その日から鬼灯は時間が出来ると白澤に会いに行きモフモフを堪能した


鬼灯は優しくしてくれる白澤に次第に心を開くようになった

白澤も鬼灯の事をとても気に入った


会う回数が増えると今まで秘密にしていた事を打ち明けるようになった


『あの、白澤さんに聞いて欲しい事があるんです。』


「なぁに?どうしたの?」


鬼灯の雰囲気に白澤は少し緊張した面持ちになる


『あまり他人には話していないのですが…私は元人間で孤児で…生け贄として殺されました』



白澤は顔を少し歪めた


この時代に神に生け贄を捧げるのはそう珍しくない
孤児という事で生け贄にされることも少なくはない



だがここまではまだ聞いていられる内容だった


『私は丁という名でした。鬼灯という名は知り合いの方がつけてくれたものです』


丁。これは召し使いを意味している


『私は毎日働かされ、殴られ、蹴られ、更には性欲処理の道具として扱われました』


「?!」


鬼灯の話を聞いていくとあまりにも残酷だ、と白澤は村人へ怒りを感じた

鬼灯は淡々と話しているがその目には生気は宿っていない



ただ静かに自分の人生を話している


『何度も何度も助けを求めました。しかし誰も助けてくれません。

ただ笑われるか、煩いと言われ殴られるかのどちらかでした』
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