【短編】現代(白澤×鬼灯)
□鬼灯さん宅でお夕飯
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昼時前の閻魔殿。
今日は非番だが、特に予定がないので、食堂でテレビを見ながら茶を啜る。
あの音楽と共に、『キュー○ー3分クッキング』が始まった。
ふくよかな女性講師と、男性アナウンサーが映る。
『夏にぴったり!みかんゼリーをご紹介しま〜す』
淡々と調理が進められていく。
「・・・。」
『キュー○ー3分クッキング』
不思議な番組だ。
どこが3分だよ。
調理時間か?
冷蔵庫で2時間冷やしてる時点でアウトだろ。
放送時間か?
もう5分30秒過ぎてるぞ。
極めつけは次々と登場する「○○したもの」
「○○したもの」が出てくる前に、ちょっと切られたり、ちょっと煮られたりしてる食材たちって、一体。
下らないことを考えながらテレビ画面を見つめる。
『大切な人に作って贈るのも素敵ですね〜』
男性アナウンサーの言葉であることを思い出した。
「鬼灯の手料理が食べたいな〜」
そんなことをあの豚が言っていたような気がする。
「・・・」
おもむろに携帯を取り出していじる。
「すみません、営業後に厨房を借りる事できますか?」
料理長に声を掛ける。
「20時以降なら構いませんよ。」
「ありがとうございます。」
また携帯をいじる。
「よし。」
携帯を閉じ、テレビを消す。
そろそろ昼時なので混雑してくる。
20時までだいぶ時間がある。
現世に買い出しでも行くか。
大王の許可を取り、支度の為に自室へ戻る。
「地図と、財布と、携帯と、おやつのピーナッツ(舞浜冒険と想像の海某アトラクションネタ)っと・・・」
鞄に荷物を詰めていく。
「さて、行きますか。」
帽子をしっかり被って、閻魔殿を後にした。