【短編】神代・黄泉(白×丁・白×子鬼灯)

□気持ちのいい朝
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鳥のさえずりと朝日の眩しさで目を覚ます。

「うん、今日も良い天気だね〜」

起き上って伸びをする。

隣を見やると、丁が健やかな寝息を立てて眠っている。

よく寝ている。

布団から覗く小さな顔を見つめる。

頬はふっくらしていて触り心地が良さそうだ。

大きな瞳は今は閉じられていて、長い睫毛がより際立つ。

「丁は可愛いね〜」

眠る幼子の頭をふわりと撫でる。

さらさらの髪がまるで絹のようだ。

「今日は何して遊ぼうか?」

「今日は何の勉強がしたい?」

答えが返ってこないのは分かっているが、丁に訊ねる。

この子がうちに来てから毎日が新鮮なものに感じられた。

朝起きて、遊んで、勉強して、ご飯食べて、お風呂入って、一緒に寝る。

そしてまた朝が来る。

一日の流れは至極単純なものだが、それが面白くて楽しい。

この子は、僕を恩人の様に言うけど、逆だ。

僕がこの子と出会ったことで救われたのだ。

いつも一人だった僕に毎日を生きる楽しさを教えてくれている。

「ありがとう、丁。」

もう一度、頭を撫でる。

すると、小さく声を上げ、眉を微かに顰めた。

「ん・・・」

丁の瞼がゆっくり開かれていく。

そして、僕をその瞳に映す。

「おはよう、丁。」

今日も良い天気だよ、窓を振り返る。

「おはようございます、はくたくさま。」

丁はぽやんとした可愛らしい声で挨拶してくれた。

丁がゆっくりと身体を起こす。

まだ睡魔と闘っているのか、目を擦り始めた。

「ああ、目を擦っちゃだめだよ。傷が付いちゃうからね。」

「あ・・・はい。」

聞き分けの良い丁はすぐに目元から手を離した。

「いい子だね。さあ、顔を洗いに行こう。」

丁をひょいと抱き上げて、庭の井戸へ向かった。
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