【短編】神代・黄泉(白×丁・白×子鬼灯)

□あの子の癖
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小さなお椀に生姜湯と仙桃の蜜煮をよそって、丁のもとへ持っていく。

「お待たせ、お薬だよ。」

「ありがとう・・・ございます・・・」

「苦しいね・・・ちょっと待ってね。」

僕は丁の向かいに座った。

生姜湯を匙で少量掬い、数回息を吹きかけて冷ましてから丁の口元に近づけた。

「さ、口を開けて?」

小さく開かれた口に生姜湯をゆっくりと流し込んでやる。

「これが薬・・・ですか?」

丁は不思議そうにお椀の中身を見た。

「そう、生姜はお腹を温めてくれるし、大根と桃は消化に良いんだよ。」

今度は小さく切った蜜煮を楊枝に挿して丁の口元に持っていく。

丁はそれをぱくんとくわえた。

「これ食べて、暖かくして寝れば明日には良くなるよ。」

僕は丁の頭を撫でた。

「はい・・・あの、ありがとうございます・・・」

「どういたしまして。はい、もう一口食べれる?」

丁はこくんと頷いた。

ゆっくり、ゆっくり時間をかけて生姜湯と蜜煮を食べさせた。

やがて両方のお椀が空になった。

「よく食べれたね。すぐに風呂に入って寝よう。」

「はい・・・」

丁を抱き上げて今度は風呂場に向かった。

風呂でよく温まったら、丁が眠るまで抱きしめていてあげよう。

早く丁が痛みから、苦しみから解放されることを願って・・・。





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