【短編】神代・黄泉(白×丁・白×子鬼灯)

□ずっと側に・・・
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何だか急に体が重くなったような気がする。

久しぶりに己の力を使った為、身体が悲鳴を上げているのだろう。

だが、丁が無事で良かった。

僕は丁を見た。

まだ表情が苦しげだが、呼吸は幾分か落ち着いている。

「ん・・・」

程なくして、丁の瞼が微かに震え、ゆっくり開けられた。

「あ・・・」

丁の瞳が僕を捉えた。

「丁!!ああ、よかった・・・!」

僕は丁の顔色をよく診ようと、顔を覗き込んだ。

すると・・・

「お願いです!丁を捨てないで・・・!何でもしますから・・・!」

丁は起き上り、か細い声でそう言うと僕の袖に縋り付いてきた。

身体が震えている・・・

まだ、夢の中と現実の区別がついていないようだ。

「丁・・・!」

袖を掴んでいる小さな手を取って、力いっぱい抱きしめた。

「丁・・・丁・・・!聞きなさい・・・!」

「おねが・・・ぃ・・・!死にたくない・・・いやです・・・いや・・・っ・・・」

僕の言葉なんて聞こえていないようで、丁は髪を振り乱し、泣きながら叫んでいた。

「落ち着きなさい!丁・・・!」

丁の頭を掻き抱いて、耳元に唇を寄せた。

「大丈夫・・・お前を捨てたりなんかしないよ・・・絶対に・・・」

丁の心に僕の言葉を刻みつけるように、ゆっくり囁いた。

「かみ・・・さま・・・」

腕の中の子は濡れた瞳で僕を見上げた。

「ああ、神の名に懸けて誓おう。この先、どんなことがあってもずっと側に居るよ。ずっと守ってあげる・・・。」

やっと、僕の言葉が彼に届いたようで、身体の震えが治まってきた。

代わりに、安心したように少し目を細めた。

「お前は悪い夢を見ていただけだ。なにも心配することはない。」

丁の目尻に堪った涙を掬い取った。

「はくたくさま・・・」

「大丈夫、ずっと抱きしめていてあげるから、もう泣くのはお止め・・・いい子だから・・・ね・・・?」

僕は丁を眠りへ誘おうと、彼の胸を布団の上からぽんぽん叩いた。

やがて、丁の瞼は再び閉じられた。

大丈夫だよ・・・

お前がまた目覚めるまで側に居るよ。

だから、安心してお眠り。






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