俺の道
□風魔VS立海
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切原side
切「フィッチ?」
神「ラフ」
いよいよ尚生さんとの試合が始まる。
俺は正直まだ、心の整理が付かなかった。
認めたくなかった。尚生さんがあのストテニ潰しの風魔だったなんて。
神「…フィッチ。サーブ、お前がやれよ」
切「…っ」
ボールを俺に渡し、持ち場とつく尚生さん。
…不良達に殴られてた俺を助けてくれたあの優しい尚生さん。…不安で、怖くて仕方なかった俺を優しく撫でてくれた尚生さんが…今、ネットの向こう側に立っている。
切「…っ、俺は…っ」
柳「…赤也」
ラケットを握る力を強めて、サーブを打った。
神「…何辛気クセぇ顔してんだよ?…つまんねぇだろ!!!」
レシーブの尚生さんは俺のサーブを捉えて返す。
比「速い!」
仁「…赤也はどうするか、じゃな」
丸「赤也…神田…」
コートの反対側を付いた尚生さんが打ち返したボールを俺は追いかけ、そしてラケットを構えた。
…しかし、そのボールは突然、起動を変える。
切「ぐあっ!!!」
神「……15-0、だな。はははっ…」
ボールは俺の顔面に向かって。
俺は突然の事で避けれなかった。そのまま俺は顔面に直撃した。
真「貴様…神田!!!」
神「こいつが自分から当たったんだ。ラフにはならねぇよ。…ははっ…ざまぁ…。自分から行くっつっといて、なんだよそのザマはよ。つまんねぇ」
柳「尚生…」
切「っつー。あ、鼻血…」
比「ジャッカル君!すぐに応急手当てをしましょう!」
桑「あぁ!」
先輩方に手当てをされてる俺。
…そういえば、尚生さんにも手当てされたよな?
俺は気絶してたからあんま覚えてねぇけど。…でも、手が温かかったんだ。
俺は、柳先輩から聞いた尚生さんの話を聞いて、やっぱり尚生さんは優しい人なんだって思ってる。…でも、こうしてコートのネットの向こう側とで向かい合うとそれが疑わしくもなってしまう。
…向こうにいるのはストテニ潰しの風魔である尚生さん。
…敵、なんだよ。
惑わされるんじゃねぇよ、俺。
…試合なんだ。常勝を背負った、幸村部長と三連覇を約束した、立海大附属なんだ。
…負けるわけにはいかねぇ。
考えるより先に、体を動かせよ。
切「あんた…潰すよ」
神「言ったろ。その前に、てめぇのテニス生命を終わらしてやるってよ」
試合は始まったばかりだ。……でも、ここで巻き返してやる。
…立海の2年エースを舐めんじゃねぇ。