桜咲く頃月照らす

□処遇と紹介
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黄「…ん」


まだそんなに上がっていない陽は俺を目覚めさせるのに十分な明るさだった。


黄「…(縛られた、か)」


身体を縄で拘束されて、口には何か詰められてそして布で口を塞がれている。


黄「…(どんな処分だよ、これ。ってか結んだやつ誰だ)」


布団をかけてくれていたのは有難いがこの縄でそれはなしだ。


隣では昨日の娘も眠っていた。


俺と同じように身体を拘束されて。


黄「…(おそらくここは昨日の奴らの屯所だ。…絶対俺もこの子も殺される。……逃げなきゃ)」


後ろで手を拘束されていて良かった。小太刀で………



……………ない。





だよな。あいつらが武器を回収せずにそのまま拘束するわけがない。


すると隣から聞こえた声


?「…!?んっ…?んんっ!!」


黄「…(起きたのか。…なんて言ってるのか分からないけど)」


娘は俺に視線を向けると何か戸惑っているようなどうしよう、と言うような目をしている。


俺は彼女の目を見て首を横に降る。


黄「…(ここで喋ったら気づかれる)」


どうしようか考えた時、襖が開く。


?「目が覚めたかい?すまないね、今縄を解くからね」


1人の男が入ってきて、俺と娘の縄を解く。口の中にあった物を出して少しだけ身体は自由になる。


?「…あの、あなたは…?ここはどこですか?」


娘が男に聞く


井「あぁ、私は井上源三郎。ここは新選組の屯所だよ」


?「新選組!?」


娘は驚く。


井「君は驚かないのかい?」


黄「…まぁ、昨日の奴ら見て、隊士服とか見て…なんとなく」


気づいてた。


…あまり話す気にならなかった。とにかく考えなきゃいけないんだよ。どうやってここから逃げるかを。


武器も取り上げられたままだし、刀1つも下げずに逃げれるわけがない。


井上と名乗る男に付いてきてほしいと言われ、まずは指示に従うことにした。


彼について行って入った部屋


昨日の奴らもいた
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