光の場所

□光とともに
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私に生きる資格があるのだろうか
生きていてもいいのだろうか
…なんて毎日考えるけど私には死ぬ
勇気もない
今ではもう、何も残らない自分に唯一あるものは…
…テニスしかない
私…いや、オレからテニスをとったらもう、…何も残らない
だからこそ、精一杯頑張りたいんだ










剣「ここが…青学か…」
眼帯をつけている少年がある中学校の前で呟く。
少年…の格好をした少女だ。
少年…剣城優は、青春学園中等部という学校をしばらく見つめた後校門へと足を踏み入れた。








不「転校生?」
とある3年の教室では新しく入る転校生の話題でもちきりだった。
菊「そうなんだよ~!なんでも眼帯をつけてて、テニスバック背負ってたらしいよ!」
不二周助はクラスメイトの菊丸英二から転校生について聞いていた。
不「そっか、ならテニス部に入るかもしれないね」
菊「楽しみだにゃ!!」
不二と菊丸が話していると朝のHRを知らせる予鈴が鳴り、二人はそれぞれの席へ戻って行った。
予鈴が鳴り、しばらくした後担任の先生が教室に入ってきた。
先「おはよう、今日はうちのクラスに新しく入る転校生を紹介する」
噂の転校生のことだろう。
うちのクラスだったんだ…。不二は心の中でそう思った。
先生は「入ってきなさい」と、言うと同時に教室のドアが開く。
噂どうり、右目に眼帯をつけていた。
髪は僕と同じくらいの長さだろうか?
身長は…うちのルーキーより少し高いくらい一瞬ほんとに男の子?って疑うほどの顔立ちだった。
先生が自己紹介をって言うと、彼はただ一言
「…剣城」
それしか言わなかった。そう言って剣城と名乗る彼は、先生に言われた席へ歩いて行った。
僕の斜め後ろ辺りの席。僕の横を通り過ぎた瞬間、なんとなくだけど彼から思わず振り向いてしまうほどのオーラを感じた気がした。
朝のHRが終わり、英二は僕の予想通り剣城の席へと向かって走って行った。
菊「ねぇねぇ!剣城!俺菊丸英二って言うんだ!よろしくな!英二って呼んでにゃ!」
英二はフレンドリーで誰とでもすぐに仲良くなるところが彼の良いところだと思う。それなら僕も…
不「僕は不二周助だよ。よろしくね、剣城」
菊「俺たちこの学校のテニス部なんだ!」
英二はそう言うと、剣城はピクッと反応した。
そして、彼は立ち上がり、僕たちを見て「…あぁ、」そう言って教室を出て行った。
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