銀土(原作設定)
□Oh my little boy
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「まあその、うちにはエリザベスと言う蓮舫族がいるのでな。宇宙の不思議な食べ物を手に入れるのはお手の物だ」
「…ふーん。で?その蓮舫族が買って来たっての?コレ」
「俺が、銀時が誕生日だと言ったらな。世話になったと、感謝のしるしだと言っていたぞ」
「…言っていた?しゃべれるんですかエリザベスさん」
湯気の立つ熱いお茶を入れた新八が、二人に湯呑を置きながら茶茶を入れた。
「無論プラカードだ」
やっぱりですか、新八は少し残念そうに言った。
「まあ、用事はそれだけだ。使ってみるがよい。滋養強壮によく効くらしい…年中寝てばかりでお疲れのようだから丁度良いぞ」
「滋養強壮ですか…良かったですね銀さん。これで馬車馬のように働けますよ」
にっこりとすごいことを言う新八に、銀時はぞっとする。しかし、うちの奴らはしれっと凶悪なことを言い放つ。
「はは…じゃあさ、コレ飲んだらアッチの方も…」
「勿論だ。武士に二言はない」
それだけ聞くとにやり、銀時はほくそ笑む。
何かを企んでいるときの顔だ。新八はそう思う。
茶を一気にすすると、邪魔したな、と言って桂は出て行く。
さんきゅ、と短く言うと銀時はまたソファーで横になった。
「つーか俺、今日誕生日か…忘れてた」
桂を見送るためにまた玄関にバタバタと走る新八。
送らないんですか、と聞いてくるが、全くその気のないのが銀時の表情からも伝わって来た。
黒く黒く輝くその液体はトロトロで、銀時は眺めては瓶を揺らす。きらり、時折光るのが何とも興味深かった。
「これ飲んだらビンビン、ってことか」
銀時は思いついたように携帯を取り出す。
掛ける相手は決まっていた。
トゥルル、トゥルル、と音が鳴るのを聞きながら、銀時は言う。
「新八ー、今日は神楽連れて家帰れ。俺、ココでやることあるから。分かったな?」
何かするんですかー、と遠くで声がする。
その返答を無視して、銀時は漆黒の低い声に没頭した。
「あー…土方君?ねー、今日夜空いてる?…」
口角が自然と緩む自分に、何だか青春時代のようで困る、と銀時は思う。
愛しい声を聴きながら、銀色は遠い黒に思いを馳せていた。