銀土(原作設定)

□Jemini
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星空が煌めくかぶき町の夜空に一筋の煙。
真撰組副長、土方十四郎は、煙を眺めながら溜息を吐いた。
土方の携帯電話の着信履歴は、全て真選組の者達ばかりで、肝心の人物からはない。
そう、もうかれこれ一月、坂田銀時その人からの連絡が無いのだ。
なんとなく、そんな関係になってしまってからどれだけの日々が過ぎたであろう。
まるで銀時からの連絡が無いことに、内心怖いと感じている土方である。
もう、これで自分たちの今までの関係が壊れてしまうかと思うと、何故か自分から電話を掛ける気にもなれず、燻っているのが現状でもあった。
万事屋に向うはずのその路上で、土方は煙と共に佇んでいた。
「最悪…」
呟いて見上げれば、銀色に光る星があの銀髪を思い出して胸糞悪い。でも、いつまでもこうしている訳にもいかない。今日こそは、いかなければならない。土方はそう心に決めて万事屋へ向かった。
その階段を昇る前に、自分の心に手を当てる。いいのか。後悔しないか。これから先、自分は何が起こっても大丈夫だ。そう自分に言い聞かして土方は階段を昇って行く。
もし、この関係を終わりにしよう、そう言われたとしても、笑ってそうだな、と言おう。
土方はもう一度そう思い直して、万事屋の玄関の戸をノックする。
建付けの悪いここの玄関は引き戸で、ノックすると言えば聞こえはいいが全く音はしない、ガンガンと戸が揺れるだけなのである。
何回か叩いても返事が無いので、土方はいねェのか、と声を掛ける。すると、確かに奥からは人の気配がした。
「万事屋、いるのかー」
そう声を掛けて、玄関で靴を脱いで中に上がり込む。リビングに入ると、社長椅子に腰を掛ける銀時の姿があった。
「ー土方君…」
なんだ、ここにいたのかと土方は思う。青い顔をして、銀時はそこにいた。
「お前、連絡寄越さねェから何してるかと思って」
土方が言うと銀時は下を向いた。
今まで銀時のこんな表情は見たことが無かった。その眼の色に、土方はなんとなく察した。
「もう、俺達ー」
もう駄目なのだろう、自分達の関係なんて所詮お遊びで、女が出来ればもうそれまでの関係。きっとそうなのだろう。土方はそう思い目を伏せた。
「ー御免、土方」
ああ。
やはり、と土方は思う。
これで、最後だ。俺達はー
「どうしよう、これ」
青ざめたままの顔の銀時を見ると、後ろにもう一人、見慣れた銀髪の男がいる。
「…ん?」
土方は自分の目を疑った。
「二人に、なっちゃったんだよね…これが」
「はあ?」
土方は目を丸くした。
確かに二人、銀と銀。なんだこれは、幻覚でも見ているのか、土方はそう思う。
「エリザベスが持ってきた天人の滋養強壮薬をさァ…飲んでみたらこうなっちゃった」
はあ、と銀時は思い切りため息を吐いた。
「これでオメェに連絡したらえらいことになりそうだろ?だから俺は」
「そうそう、土方君が壊れちゃうってい言ってさァ。俺は別に構わねェって言ったのに」
もう一人の銀時がすかさず話して来る。土方は、二人の銀、に翻弄されていた。
「一寸…まて、オイ。ってことはー今まで電話無かったのは」
「だって連絡したらーコイツ(俺)が」
「待ってたよ土方君、初めまして、だね…すっごいいいね。やっぱり俺が選んだ彼氏だなァ」
じっとりともう一人の銀時に見つめられて、土方は顔がほてったように熱くなる。なんだこれは。今までコイツ、こんな事言ったことないぞと狼狽え始めた。
「お前…本当に銀時…か…?」
恐る恐る顔を覗き込むと、何も変わらない顔の銀時がいるだけだった。ただ、一つ違うのは恥ずかしがらないのだ、銀時が。
「俺だよ、土方君…早く二人きりになりたいなァ」
そう言って土方の手をとり腰を抱く銀時に、銀時が声を荒げる。
「オイイイイイ‼だから駄目だって言ってたでしょーがああアアア!駄目だって、それ、あの…土方君は」
「お前の、だろ。なら俺の、ってことだ」
ふふ、と笑って銀時は土方に口づける。嘘だろ、と思いながら土方はそれを受ける。舌が絡まると、一気に今までの放置されていた寂しさが埋まっていく。
そう、間違いなく銀時、だった。
「う…んんっ…」
一か月も放置されては、キス一つですぐに昂る。侵入してきた舌は土方の舌のざらつきをなぞって、唇を貪り下半身に甘い刺激を与えては去っていく。
「土方君…」
ぽつんと見ている銀時が、哀しそうに土方の名前を呼ぶ。それを、土方は横目で見ていた。
(銀時っ…あっちが本物の銀時…か…?)
するとすかさず銀時が諫める。
「駄目だよ土方君、あっちの銀時じゃなくて、俺を見てよ…」
首筋にキス。それに、反応してしまう自分が憎かった。それもそのはず、一月もしていないのだ。溜まりに溜まっている、のが現状である。
「あっ、ああっ…」
隊服の前をはだけさせられて、すでに起ちあがった乳首に指を伸ばされ、声を押し殺した。
「ふ…うううっ」
「ああ…可愛い…俺の土方君、でしょ?」
すると見ていた銀時が叫ぶ。
「やめろよ、俺も…どれだけ土方に会いたかったか」
乳首を弄られているのを見られて、恥ずかしくも土方の股間はもう起ち上って銀時を誘っていた。
「じゃあ、お前も来いって。最初から二人でやろうって言ってたじゃん、俺は」
クスクスと笑う声を聴いても、土方は摘まれた両先端に意識が集中してなにも言えなかった。
「ちょ…だめだっ、乳首、俺…」
涙目で訴えて来る土方が煽情的で、見ていた銀時が駆け寄ってくる。そして、それをおもむろに口に含んだ。
ぴちゃ、という水音とざらついた舌が乳輪の周りを丹念に舐める。知っている舌だ、土方はそう思う。
「や、嫌、そんな…焦らすなんてっ、ずる…い」
「いい眺めだよ、俺が土方君の事舐めてて、俺が土方君を掴まえている…最高だね」
後ろに立っている銀時の、硬いモノはとうに土方の尻にぶち当たっていた。
いつもの、感覚ー。前も後ろも、ふわふわと銀髪が漂っている。
揺れる銀髪を感じながら、ちゅ、ちゅ、と乳首を吸われ仰け反った。
「あ、ああっ…それ、やばっ…」
一か月もお預けにされて、こんな強い刺激を与えられて。もうどうしようもできない。
土方は徐々に理性が飛んでいくのを感じていた。
耳元で囁かれる低い声。前で乳首を吸っている銀髪。そのどちらもが坂田銀時と言う事実に、土方の全身は歓喜する。こうされたかった。ずっと、ずっと、悩みつつも自分は抱かれたかったのだ。
「ああ、可愛いよー乳首、気持ちいいの?土方君」
「ああ、くっ・・・だめ、だめえ・・・」
コクコクと頷いて、強い刺激に耐える。でもすぐに今度は耳の穴に舌が入って来ては土方の感度を最大限まで引っ張っていくのが、快感であり苦しさでもある。この感覚は何だろう。
「もうーもう、許し…てっ…」
「許してって。何をどうしたいの」
「限…界…下を」
「下って何処?」
耳元で連続して聴く低い声は、脳髄をとろとろに溶かしていく。
射精欲と羞恥心が土方の中でせめぎ合う。言いたくない、でも。
「下…お願い、ぎんときィ…」
「ああ、もう…可愛いな。やってあげたくなるな…でも」
言わなきゃダーメ、そう耳に囁かれる。
乳首から離れた銀時は、そっと俺の膨らんだ股間を擦って来る。ぼんやりとした刺激がもどかしい。
「一か月してなくて…乳首だけでこんなになって・・・珍しいね土方君」
跪くもう一人の銀時は、土方のジッパーを下ろすと下着の上からふ、ふ、とそこに息を掛けてくる。
「ああーシミができてる。すごい感じてるんだね、もうイきたくってしょうが無いの?しかも凄く雄の匂いだよ」
「あ・・・ぎんときィ・・・」
「どっちの銀時?囁いてる俺の方?それとも」
跪く銀時は熱っぽい目で自分を見てくる。後ろにいる銀時は耳たぶを噛んで、舌を中に入れてくるのだ。
「わ、わかんな・・・いっ」
「じゃあ、駄目、だね。二人で乳首ね」
後ろにいる銀時はひょいと土方を持ち上げると、敷いてある布団に隊服のはだけた土方を寝かせる。
銀髪が二人並んで、土方の尖った先端に舌を這わせるのをまるで夢のように感じている土方。
「ああああっ!!や、やだっ・・・もう・・・そこばっかり・・・」
「ふふ。可愛いね土方君。今日は乳首でイかないと許さないから」
「御免な・・・土方。俺、もっと早くお前に言っていればこんなことには・・・でも今日は感じてくれよ、俺が二人いるんだから」
ちゅぱ、と唾液が唇で跳ね返る音がする。
いつの間にか、二人ともが土方の腕の中にいる。夢中で土方の小さい突起を舐める二人は、とても可愛い。
しかし、土方にはそんな余裕も無く、一ヶ月という長い間に溜まった精は、乳首の刺激だけで果てようとしていた。
「も、もう・・・コレ、駄目ェ!いっちゃう・・・いっちゃううううっ」
「乳首でいけよ、ほら。この乳首ビンビンだよ」
「可愛いよ土方・・・出して、汚して良いから」
「ああ、ああああアアああ」
銀髪を二人分抱えて、土方は果てる。陰茎に全く触られずに絶頂するのは初めてだった。乳首の刺激で精子は勢いよく飛び出ていく。下着の中に吐き出されたそれは、多量のため中央に大きなシミが残ってしまっている。それを、銀時がそっと、脱がしていた。
「俺のこと考えてこんなに溜めてたなんて、嬉しい・・・舐めてもいいかな」
「あ、あああっ・・・ま、待てっ、今イったばっかだからっ」
果てたその針はまだ強く起ち上がっている。それを、銀時がそっと白濁を舐め取っていく。もう一人の銀時は、自分の猛ったモノを土方に見せつけていた。
「じゃあ、こっちも楽しませもらいてェなァ、土方君?」
ニヤリ、笑って銀時は大きく反り上がるそれを土方の眼前に突き出す。その見慣れた、欲しかったそれを見ると土方は心が蕩けて、いつものようにそっと舌を添えていた。すると銀時はそっと、黒髪を撫でる。
「あー・・・すげー気持ちいい・・・土方君の舌・・・もっとして・・・」
撫でられると嬉しくて、必死でそれを舐める。そう、もっと前に自分が万事屋に行っていれば、こうはなっていない。もっと自分に素直になれば、きっと。土方はそう思いつつ銀時の大きなそれを根元にまで咥えた。唾液を絡めて、最奥まで届いたそれは大きくて、土方は後ろが疼くのが分かった。コレを、入れたら、と。
「う・・・ふむっ・・・」
「ほら・・・綺麗にしたよ。土方君のコレ、今日すげェな・・・嬉しい、俺のためにこんな」
「違うだろ、土方は俺の為に今こうして舐めてくれてんの」
「何だって、大体お前がいるから土方君は」
「今日は俺が入れるから。それは絶対に譲らねーからな」
「俺も入れてーよ、ふざけんな、この」
いつの間にか始まっている喧嘩に、土方はなだめるように言う。
「ま、待てって。喧嘩すんな、俺は・・・別にどっちの銀時が、って訳じゃねェ。どっちもだ・・・俺がいけなかった。もっと前に万事屋に来ていれば・・・俺の臆病な心の所為だ」
『え?』
二人は揃って土方の方を見つめる。
どういうことか分からず土方は狼狽える。
『え?ナニナニ??じゃあ、今日はいい、って事』
土方は青くなりながら首を振る。
『今日は念願の二本差し、だね土方君』
血の気が引いていくのを感じながら土方は涙目になる。



万事屋に喘ぎ声が響く。
「あっ、あはっ・・・」
「あははいー眺め。なあ、俺?」
うん、と言いながら猛一人の銀時は土方の針を丹念に舐め尽くしている。そして、土方の尻はずっぽりともう一人の銀時のそれを咥え、後ろから抱きかかえられていた。
「凄いね・・・キュンキュン締まる。ああ・・・俺もめっちゃ気持ちいいよ」
「あっ、ああっ!!やめ・・・やめてェ・・・」
「キレイ土方君・・・こんなに感じて、やめたらイけないよ?いいの?もうイくんでしょ?」
刻々とそのときは近づいてきている。最奥のその場所に入り込んで、一気に射精欲が高まっているのだった。
「いつも俺が二人いたら、って・・・そう思ってたんだよ、フェラされながらイけよ、出して見せて、土方君の濃ゆい精子」
クスクスと笑っている銀時、陰嚢から舐めあげてくる銀時。その刺激で、土方は頂点に達した。
「ああっ、イく、イク・・・!でる、でるからああっ!!」
勢いよく飛んでいくその白に、二人は満足する。それから、後ろから入れている銀時がもう一人の銀時を誘った。
「ほら、ココー入るよ、今なら」
だらだらと垂れていく土方の白をそこに塗りたくり、銀時は今にもそれを挿そうとじぶんのそれに手を添えていた。
「無理、むりいっ・・・!」
その言葉もむなしく、先端から包み込んでいく土方のその場所。中は襞が収縮し、ぶつかる針はもう一人のもの、という特異な状況に、土方の頭は痺れていく。
「ひぐうっ、ううっ、嘘っ・・・」
「すげーよ土方君。俺らのこと、本当に好きでいてくれてるんだね」
「嬉しい、俺も・・・土方の中に入ってるよ・・・一ヶ月ごめん。寂しい思いさせて」
首を振りながら、泣いている土方はとてもキレイで、二人の銀時は胸が締め付けられる。
「あー、ああっ、俺もう・・・また、いく、二人のでっかいので、イくうううっ」
『一緒にイこうぜ』
その言葉で中に浮いたかのように土方は浮上する。天にも昇るような強烈な快感の中に、暖かい何かがあるのを土方は感じる。こんなことは初めてだった。
「銀時っ、俺っ・・・」
そのあとは言葉にならない。
ただ、二人に抱き留められ、泣きながら光を浴びたかのように包まれていったのだった。




「え?精液採取用に作られた薬と間違えたって?」
万事屋に来ていたエリザベスがプラカードで説明している。
「ナニナニ・・・ふんふん、ああ、飲んだ人が二人になって・・・うんうん、それで男性の精液を搾り取るのが目的・・・ただ人格がうまく分かれないため、偏った性格になる、と・・・」
プラカードには「ごめんなさい」と書いてあるようだ。
エリザベスはそのまま万事屋を出て行く。
それを見送って、騙されたなァ、と呟くと、送った玄関の先には、なんとー
「あ・・・土方君、どしたの」
「あの・・・その・・・また、銀時二人になんねェのかな、って思って、コレ」
その手にはこの前と同じ薬の瓶が握られていた。
「今日・・・あいてる?お前・・・」
恥ずかしそうに俯く土方十四郎に、銀時は鼻血を出して倒れてしまったのだった。
「オイ、銀時?ぎんときーっ!!」
土方の声がかぶき町に響いていく・・・

Fin.



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