銀土(原作設定)

□575(不機嫌なボーイ)
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「よお、土方くーん」

舌打ちも
聴こえるように
するけれど

「なんだよ、つれねえの。舌打ちしちゃってさ」

悪態も
ついてそれほど
すごまずに

「…何の用だ」

銀色が
光に透けて
菓子みたい

「それがさー、隣のペドロ続編やってんだよね」

覗いてる
心の中を
見透かされ

「見に行きたいでしょ」

「…は?何言ってんだお目出度い奴だな。そんな暇ねーっての」

涙さえ
コイツだけには
見せられず
銀髪の
ホントの心
知りたいと

「そーんなに忙しいのかよ。真選組の副長サンは大変ですねェ」

ため息が
心の中に
突き刺さる

「…お前みたいに能天気じゃいられねーよ」

「俺だって仕事してっからね。これでもね。色々大変なんだぜ〜社長だから」

ふわふわと
漂う銀に
戸惑いを
隠せずに
いることなんて
知りもせず

「いつなら会えんの」

「…は」

「行っていい?屯所」

「…ダメに決まってんだろ」

「じゃー俺んち。今日、仕事終わったら来て」

ひらひらと
手を振る銀に
煙草の火
煙さえ
嬉しいことが
滲み出る

「…約束はしねえからな」

捨て台詞
吐いても嘘と
ばれている

「期待しねーで待ってるよ、鬼の副長サン」

にやにやと
笑う銀色
心臓が
どきどきと
脈打つ様に
血がたぎる
繰り返す
小さな嘘を
知られずに
このままで
居たいと思う
女々しくも

「…お見通しかよ、ばーか」

煙吐き
今日の仕事を
片づけに
突然の
誘い断る
こともせず
不機嫌に
振る舞うけれど
それもまた
可愛いと
言われ銀色
腕に抱く
その刹那
思い出しては
心焦げ
愛してる
その一言は
言い出せず






「…会いたかった」

「俺も」

肌合わせ
やっと本音が
言えたけど
こいつには
俺の気持ちは
分かってる?
一瞬が
輝かしいと
言うけれど
銀色は
連続してる
瞬間で
不機嫌なボーイ
振りはするけど
不安だな…

「土方君…」

「あ…ァ…」

甘美なる
快感だけに
酔いしれて
目の前が
見えなくなるの
怖いだけ
この気持ち
何をすれば
分かり合える?
続いてく
終わらないこの
気持ちだけ…

好きだよと
何度も耳に
囁かれ
口付けで
返しているの
もう限界…
それならば
一つに溶けて
しまいたい

銀色を
もっと奥まで
感じたい…
俺の心
銀色に染め
塗り上げて…






銀時…
好きだ…
言えないけど
コレが俺の心…

fin.



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