Twitter ワンライ

□8月4日お題:依存
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そのままのお前、そのままの俺。
俺達は、それで良かったはずなのに。
どうやったらここまで入り込めるのか。入り込んだのか。迷路のように入り組み、絡み合う心。囚われて離れない心。
「もう、別れよう」
そう言ってはみたが、その言葉さえも無意味に思えてくる。
「別れられんの?ー俺と」
クスクスと笑うその声が、頭の中で響く。ああ、そうだった。俺は、俺の意思なんてもう、その辺に落ちているゴミ屑の様に小さい。ぼんやりと見えているのは、煙草と灰皿、そして、…の残骸。
大分キマってんね、と声がする。声のするほうを見ると、汗を浮かべた銀時の顔が眼前に迫る。ちゅ、と唇を啄まれた。
「可愛いよ、凄く」
囁かれて、激しく下から突き上げられた。お互いに掴み合い、抱き合っている格好で重なっていた。頭が弾けるように熱い。ほら、と舌を差し出す銀時に応えるように、俺も舌を絡めた。どうしてこうなったのだろう。俺達はいがみ合い、嫌いあっていたのに。
ザラザラとする舌の感蝕、熱さ。銀髪が揺れて、甘い匂いに感覚が研ぎ澄まされていく。
「凄い、締まるよ…」
その声を聞くなり、俺の奥に熱いものが放たれるのが分かる。スローになる振動と、冷めない熱。官能的な吐息が俺の耳許に掛かった。
「このまま、お前もイって」
銀時はそう言うと、角度を変えて突いてくる。ちかちかと網膜の奥には化学物質の燃え滓がこびり付いて強烈に絶頂へと誘導する。
「いや、だ、嫌、アア」
「だーめ。土方君は俺の思うままイくんだよ、ね?」
優しくも強く促され、抗えずに果てる、俺。
「はぁ、ああっ」
アハハ、と明るい声がする。
それを薄暗い部屋の中で聞いていた。ビクビクと痙攣する身体、言うことを利かない身体ー。浅ましくも、心とは裏腹にこの男を求めていく身体。流れる涙を掬って、銀時は言う。
「離さねェよ、どうなったってー例えばお前が死んだって俺のもんだから」
薄笑いと共に反響する笑い声。
ジャラ、という鎖の音がした気がする。

ー誰か、お願いだから夢だと言ってくれ。

そう思いながら激しい愛憎の色に溺れていった。



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