名探偵。long
□第4章
2ページ/2ページ
「お前は…!」
「これ以上こいつに触れてみろ。…両目を抉り取ってやる。」
「ひっ!!」
男の身体はガクガクと震え、そのまま意識を失ってしまった。
「その男…」
「データは取れたんだ。気を失っている内に逃げるぞ。」
「え、ええ。」
スルリと警備の目をくぐり抜け、ライの車へと乗り込んだ。
「…さっきは、その、ありがとう。」
「構わん。」
「ライって格闘技使えるんだね。」
「截拳道だ。」
「じ、截拳道?」
「ああ。…そうだ。お前もやってみたらどうだ?」
「私が?」
「護身のためにもな。俺が教えてやる、金が掛からなくていいだろう。」
「…いいの?」
「言っておくが手加減せんぞ。」
「もちろんっ……!?」
唇がふわりと重なる。
「な……な、なな!?」
「さっき無理矢理されてただろう。」
「見てたの!?」
「…あんなの見せられたら、誰だって怒るものだ。」
「なんでキスしたのよ!」
「フッ……さあ?」
「なにそれ!!」
車の中でぎゃあぎゃあ騒いでいたら
うるさい、とデコピンされた。