名探偵。long
□第2章
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「藤河瑠璃です。」
愛想よく自己紹介をする。
「ライだ。よろしく頼む。」
長い黒髪、ニット帽に濃いめの隈…のくせして彫りが深くてなかなかのイケメン…特徴がありすぎるライとコンビを組むことになった。
大丈夫なのこの人…腕は立つってジンから聞いてるけど。
「足を引っ張らないよう、頑張りますね。」
「ああ。俺もお前が危なくなったらフォローするさ。」
「ありがとうございます。」
なに…凄くいい人じゃんか…!
「助けられない時は…どうしようか…」
「だ、大丈夫ですよ。なんとか…切り抜けられると思うので…」
「まあ、なるべくはそっちに向かうとするよ。」
「は、はい。」
顔が赤くなってないか、気になる。
「まあ…」
「?」
「無理な時は無理だが。」
「……そ、そうですね。私も頑張ります。」
「そうしてもらわんと困るな。」
「………はい。」
そろそろ前言撤回していいかな?
俺様…でもなさそうだけど…
モヤモヤしながら仕事を始めた…
「お前がしくじるなんて珍しいな、瑠璃。
」
「ごめんなさい、ジン…二度とミスはしないと誓うから…」
「…まあ相手の情報は取れたんだ。咎めはなしだ。ライに感謝しておけ。」
「ええ、もちろんよ。」
トラップを仕掛けた相手が悪かった。
睡眠薬で眠らせ、そのまま情報を抜き取りその後処理をライに任せる、という感じだった。
だが相手は睡眠薬を飲んだふりをし、あたかも眠そうな芝居をして。油断した私を襲い、逆に組織の情報を盗もうとした。
「私も…まだまだだな。」
偽の性格を解き、そう呟いた。
インカムの電源をつけっぱなしにしていた事で、非常を感じたライがすぐに駆けつけ、なんとか助かった。
もちろん、その場にいた警備員達にはバレたけど。
「あ…」