名探偵。long

□第2章
2ページ/3ページ

「藤河瑠璃です。」

愛想よく自己紹介をする。

「ライだ。よろしく頼む。」

長い黒髪、ニット帽に濃いめの隈…のくせして彫りが深くてなかなかのイケメン…特徴がありすぎるライとコンビを組むことになった。

大丈夫なのこの人…腕は立つってジンから聞いてるけど。

「足を引っ張らないよう、頑張りますね。」
「ああ。俺もお前が危なくなったらフォローするさ。」
「ありがとうございます。」

なに…凄くいい人じゃんか…!

「助けられない時は…どうしようか…」
「だ、大丈夫ですよ。なんとか…切り抜けられると思うので…」
「まあ、なるべくはそっちに向かうとするよ。」
「は、はい。」

顔が赤くなってないか、気になる。

「まあ…」
「?」
「無理な時は無理だが。」
「……そ、そうですね。私も頑張ります。」
「そうしてもらわんと困るな。」
「………はい。」

そろそろ前言撤回していいかな?
俺様…でもなさそうだけど…



モヤモヤしながら仕事を始めた…








「お前がしくじるなんて珍しいな、瑠璃。

「ごめんなさい、ジン…二度とミスはしないと誓うから…」
「…まあ相手の情報は取れたんだ。咎めはなしだ。ライに感謝しておけ。」
「ええ、もちろんよ。」


トラップを仕掛けた相手が悪かった。
睡眠薬で眠らせ、そのまま情報を抜き取りその後処理をライに任せる、という感じだった。
だが相手は睡眠薬を飲んだふりをし、あたかも眠そうな芝居をして。油断した私を襲い、逆に組織の情報を盗もうとした。

「私も…まだまだだな。」

偽の性格を解き、そう呟いた。

インカムの電源をつけっぱなしにしていた事で、非常を感じたライがすぐに駆けつけ、なんとか助かった。
もちろん、その場にいた警備員達にはバレたけど。


「あ…」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ