名探偵。long

□第1章
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私がこの世で嫌いなものが2つある。
1つは…椎茸。食感と独特の匂いが苦手なの。もう一つは…




「―わ、藤河?…綾野?」
「本名で呼ぶなよ!」
「なら無視するな。」
「してないわよ!うるさいなあ…」
「…でも返事しなかっただろう。」
「ネチネチしない!このネチネチ男!」
「……はぁ。」
「…。」

盛大にため息をつかれる。

「俺があんたに何かしたか?」
「した。」
「何を?」
「スパイだったじゃん。」
「…直接的な被害は与えてないだろう?」
「…。協力してあげてるんだから、私の逮捕はなしね?」
「それは上が決める事だ。」
「…ねえ、ライ…」
「いつも情報提供助かる。」
「ちょ、ちょっと…」
「なにかあったら連絡してくれ。」
「え…!?」

いつものようにそそくさと帰ってしまった。




「…くそ…」


ライ…こと超堅物には。


ハニートラップが効かない。




まだライが黒の組織のメンバーだった頃に、1度だけベル姉…ベルモットがやってみたけど、引っかからなかった。







だったら私のハニートラップじゃ効くわけないか。

相変わらず


この世で1番嫌いなものが、

ライであることに変わりはない…
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