名探偵。long

□第3章
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「………。」
「…終わったのか?」
「っ…まだ!」
「…もういいだろう。」

密着させていた身体をグイッと剥がされてため息をつく

「言っておくが…ハニートラップだと宣言されて反応するほど軽くないぞ。」
「ベル姉にでも頼むか…」
「それもだ。ベルモットにも試しとして掛けられたが無反応だよ。」
「は?」


ベル姉のハニートラップ効かないの!?
ほんとに人間!?

「だから…瑠璃、諦めろ。」
「この…悪魔!!」
「構わん。」
「承諾するなよ!!」
「―そこで何を?」

ライとは違う声が聞こえ、振り返る。
透き通るような金髪に褐色の肌…世でいうイケメン、まさにそのもの。

「…バーボン。」
「ライですか。…ん?」

何故か不穏な空気になる中、ふと私に気づいた。ササッと服の乱れを直す。

「は、初めまして。」
「初めまして、僕はバーボンです。見かけない女性ですね。」
「藤河瑠璃です。末端の者だったんですが、ベルモットさんに何故か気に入られて…いつの間にか幹部まで大出世してました…。新参者ですがよろしくお願いします。」
「こ
ちらこそ、よろしくお願いします。コードネームは…?」
「ありません。面倒くさいので断りました。」
「そ、そうですか。ならその名前は偽名ですね。」

そりゃあ本名出してたら馬鹿だよね。

「ベルモットなら…仕事の内容、だいたい検討つきますよ。」
「さすがですね。まあ、断れませんし…頑張ってます。」
「凄いなあ…。綺麗な顔立ちをしていますし…僕だったら簡単に引っかかりそうです。」
「お世辞は効きませんよ!」
「そんな!お世辞じゃありません。完璧に仕事をこなす姿…尊敬します。」
「…!」

バーボンの指がスッと頬を撫でる。
綺麗過ぎるその笑顔にみとれていた…っていけない!

「トラップはききません!」
「あ、バレました?残念…」
「私はトラッパーですよ!」
「ふふ…そうですよね。こんな美人な方ならトラッパーをやっててもおかしくない。言葉も丁寧ですし。」
「ありがとうございます…」

ポンポン出てくる言葉にさすがに気恥しさから顔を俯かせる。

「あの、よかったら…僕と一緒にやって欲しい仕事があって…ハニートラップがあった方がいいんですよ。」
「全然いいですよ!」

ありがとうございます!頼もしいな…」


この人となら…全っ然承諾する!
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