Short

□ふわりふわり
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ばか

ばか

ばか


ごしごしと涙をぬぐって上を向く
拭っても拭っても溢れてくる涙は目じりからこぼれていた


シュウに何か期待する自分が悪い


はぁ…とため息が漏れた
咄嗟に家を出てきてしまったけれど、行く当てもなく
結局信仰も捨てたはずの教会にこもっている
誰にも手入れされず埃っぽい上に、建物の老朽化がひどい

都合のいい奴だと神様は怒るかもしれない



「はぁ…」


どうしようもないため息
気持ちは変わらない
私はシュウが好きだ

いや、前よりももっと好きになっている

だから
今こうして欲張って傷ついてしまったんだ

私がやることなんて決まっている
今まで通りシュウの傍にいること

それしかない


シュウが何かを手に入れたいと思うはずがない
自分の命でさえ手放すことも厭わない人なのだから

あの青い目はたぶん私の気持ちに気づいているだろう


それでも…



「もう考えないようにしよう」


パンっと自分の顔をたたく
しっかりしないとシュウの隣は務まらない




一人になって気持ちの整理がついてそろそろ屋敷に戻ろうとしたときだった




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