Short

□夜は長い
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いつもはすぐに寝るのに


いつもは起きないのに



どうして今日に限って?





「ねぇ、シュウっ…」

「…なに」


ベッドの中で眠気とシュウと戦っている
今すぐにでも眠りたいのに、うとうとするとシュウがお腹のあたりに牙を立てる

それかいやらしく触ってくる


「寝ようよ」

「…寝てる」


私の中ではなぜ?がぐるぐると回っていた
このシュウが眠らないなんて
一体何があった


「明日学校あるし……っん…」

「だるい」


急に首筋を舐められて反応してしまえば
シュウはそれが気に入ったようで


「シュウってば」


首の次は耳、耳の次はお腹…好き勝手私の体をいたずらする
そうかと思えばぎゅっと抱きしめたり


やっぱり変だ

シュウがこんなに甘えてくるはずがない





理性が飛びそうな頭で考える




「…なに考えてるの…そんなに余裕なわけ?……っ」

「んっ」



舌がどちらからとなく絡まる
激しい中に優しさが見えた



「ど、うした…の?」



もう今日の夜は眠れない気がする
せめて、理由だけでもと思って聞いてみるとシュウの動きが止まった

綺麗な色の目が私を捉える
いつものだるい目ではなくて、シュウの目は微かに揺れていた



「…シュウ?」

「スミレ」

「何があったの?」



シュウがきゅっと私を抱きしめた
いつもは私が彼の胸に顔を埋めるのだけど今はシュウが私の首元に顔を埋めてる


深呼吸する音が耳に響いた





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