追加妄想
□原作設定ー#533
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「てめー……アレはなんだ!」
「アレ?」
「向こうの部屋のタンスに隠してある可愛いプレゼントだよ!」
人様の家のタンスを盗み見ておいて怒る土方は逆ギレもいいところだ。
だから銀時がソレを怒ってくれたり、「あー、あれね」とケロッと説明してくれたら済んだ話だったのに、銀時は一瞬きょとんとしたあと気付いて"ヤバイ"という表情で顔を青くした。
土方の"期待しない"方の予想通りに胸がぎゅっと痛くなったけれど、そう"期待通り"にはいかないようだ。
銀時が青くなったのも一瞬のことで、すぐに顔を真っ赤にして、
「な、なな、なんで、か、勝手に見てんですか、こ、ここ、コノヤロー」
「悪気はねー。タバコが無くて、前に取り上げられたやつ、どこかに隠してんじゃねーかと探しただけだ」
「だ、だだ、だったら、そういうのは、見ないフリをするのが大人ってものじゃないですか」
分かりやすく動揺している。
土方は、あれ?、と思いつつこのまま話を進めるしかなくなった。
「……誰かに渡すつもりだったんだろ」
「……そーだよ」
「だ、誰にだ」
浮気相手が誰か、なんて本当なら聞きたくないところなのだが、様子が違うようなのでそう言ってみたら、
「おめーに決まってんでしょ」
そう返される。
ますます分からなくなってしまった。
「……ホワイトデーのシール貼ってあったぞ」
「そ、そうですよ」
「……俺、チョコなんてやってねーだろ」
「貰ってませんよ」
「……じゃあ、俺んじゃねーじゃねーか」
「…………も、貰ってないから渡せなかっただけで、おめーのなんです」
「貰ってねーなら用意するなよ」
「買ったのバレンタインの前なんだから仕方ねーだろぉぉぉぉ」
"言わせるんじゃねーよ、そんな悲しいこと"と言わんばかりに、銀時は両手で顔を覆って俯いてしまった。
土方は頭をポリポリ掻いて、複雑な顔をする。
つづく..