虎牛設定(補完)
□その2
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#7
作成:2016/01/05
年明け早々、新年会だとどんちゃんさわぎになった動物たちの村。
なんだかんだで朝まで飲まされてしまった虎が、ふらふらしながら家にも戻ってくると、牛が落ち込んでいた。
「……た、ただいま……」
「……おかえり……」
「…………お、遅くなってごめんな?」
「…別にいい…」
銀時の顔を見ても嬉しそうな顔をしない十四郎に、怒っているのかと心配そうに声をかけたがしょぼんとしたままだ。
「銀ちゃん、とうしろ、起きたときから元気ないネ」
神楽にそう教えられ、よく見れば確かに元気がない。
一気に酔いも醒めてしまった銀時は十四郎の隣に座り、優しく話しかけた。
「十四郎?どうした?」
「………銀時に……別れようって言われた……」
すると口を尖らせ目をうるっとさせた十四郎がそう呟く。
「……え?……」
「銀ちゃん!そんなこと言ったアルか!?とうしろ、可哀想アル!!」
「い、いい、言ってませんんんんん!!」
「とうしろ泣いてるネ!!マダオの銀ちゃんのために頑張って働いてるのに酷いアル!!」
全く心当たりがない銀時は動揺しているが、十四郎の話には続きがあったようだ。
逆上した神楽にボコボコにされそうになる前に、いたって真面目にしょんぼりと呟いた。
「……夢で……」
ずっこける2人。
「夢かよっ!」
「…とうしろ…さすがにソレは無いアル」
「だ、だって、初夢だったんだよっ」
「……はつゆめ?」
そう言えば十四郎は昨日から初夢の話をしていた。だから忘年会も早めに切り上げて家に帰ったのだ。
張り切っていた分ショックだったようで、本当に悲しそうな顔をする。
「良い夢見たかったのに……ぎ、銀時がっ……」
そんな顔をされたのでは、たとえ夢でも申し訳なさそうな気分になる銀時だったが、さらに続きがあった。
「銀時が、富士山の上から鷹に飛び乗って茄子焼き食べながら“もう別れよう”って言ったんだっ!」
「………」
「……めでたいのかめでたくないのか分からないアルな」
「めでたくないだろうがぁぁ!お、俺っ、銀時と別れたくないぃぃ!」
どうやら“一富士二鷹三茄子”を知らないらしい十四郎が本気で喚くのを見て、
『超バカわいいっ!!』
と嬉しくなった銀時は、ご機嫌取りのマヨ朝食を作って慰めてやろうと思うのだった。
おわり
まったく何も考えてなくて、虎牛は無理かなぁと思ってたんですが、
ちょっと時期は外れましたが初夢ネタを書いてみました。
初夢はいろいろ説が違うみたいなんで、ふわぁっと読んでください。
相変わらず牛がバカでごめんなさい(笑)