原作設定(補完)

□その5
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#45

作成:2015/05/05
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「♪もういくつ寝るとこどもの日〜」

「神楽ちゃん、混じってるよ。それに今日がこどもの日だから」

そう言いながらテーブルの上に料理を並べる新八と神楽に続いて、銀時は出来上がったばかりの茶碗蒸しとから揚げを置く。

「おう、お疲れっ。お前すげーな」

そう労いの声をかけてくれたのは土方……ではなく、近藤だった。

「………なんでてめーがいるんだ。ストーカーはお呼びじゃねーよ」

「いやいやいや、金出したのは俺だしね」

こどもの日の今日、パーチーを開くから恒道館に来てね、と招待された大人2人。

招かれたことに大喜びでやってきた近藤は財布を奪われ、夕方になってのんびり現れた銀時はエプロンを渡された。

祝う側として呼ばれたんだとガッカリしたものの、新八と神楽の楽しそうな顔を見たら『ま、いいか』と思うしかない。

今日は禁酒なので全員にお茶を配りながら、新八が珍しく近藤のフォローを…

「そうですよ、銀さん。近藤さんのおかげで豪華になったんですから」

「新八くんっ」

「仕方ないから嫌だけど我慢しましょう。嫌だけど」

「二回言うほどぉ?」

やっぱりしていなかった。

「じゃあ、新ちゃん、神楽ちゃん、いっぱい食べてね」

今回は何もしてないお妙が主催者の挨拶をして、銀時の手料理による安全で豪華な夕食会が始まった。

みんながガツガツ食べてる姿を眺めて銀時は満足そうに笑う。

いつもの貧乏料理と違って(近藤の金で)材料がしこたま用意されていたため、張り切って腕を振るってしまった。

そのせいかあまり食欲がなく、酒もないわで、お茶を飲みながらつまんでいると近藤がやってきて、

「万事屋っ、マジで旨いぞっ!すげーな、お前」

そう褒めてくれるが、『お前より土方に食ってもらいてーよ』と溜め息。

『この前会ったのいつだっけ?……一週間前?ありえねーだろ。ホヤホヤなのに。俺なんて毎日会いてーっつの』

一週間前の土方の非番に、映画見て、夕飯兼ねた酒を飲み、分かれ道で重ねるだけのキスをした。

誰かに見られてたら憤死しそうなほど甘酸っぱいデートの記憶だけで、一週間過ごしている自分を褒めてやりたい。

本当はガッツリちゅーだって、それ以上だってしたいが、なにせ告白が“あおはる”臭すぎた。

恒例の花見のとき、酔っ払って機嫌の良い土方が可愛く笑ったものだから、つい「好きだ」と言ってしまった。

誤魔化せない状況に『やっちまったぁぁああ』と苦悩していると、土方は「俺も」と答えた。

酒のせいだけとは思えないほど真っ赤になってる土方に、「じゃあ、付き合う?」と聞いたら「ん」と頷き、交際が始まったものだから、

『そのままの勢いで最後まで〜〜とか、その後のデートでもう一軒行かね?って〜〜連れ込んだりとか、できるわけねぇぇえええ!!』

と銀時は悶絶する日々だった。

こどもの日に、こども達を祝いながら、爛れた妄想は続く。

たぶん銀時と同じように、土方にも切っ掛けが必要なんだと思う。

『そうなると、やっぱりイベント狙いだよなぁ。定番といえばクリスマスだけど………いやいや、12月まで待てるわけねーじゃん。あとは俺の誕生日…も、10月だしなぁ……無理、パーンってなるだろ。…ん?土方の誕生日!6月…せめて7月ぐらいだったら丁度良くね?』

そう思いついたら、土方の誕生日を調べるための適任がここに居た。

神楽と“あっちむいてホイ”をやり何故かブッ飛ばされて床に転がってる近藤に早速聞いてみる。

「なぁ、ゴリさん、土方の誕生日っていつ?」

「きょ…今日…」

「そうか、サンキュ」

『こどもの日なんだ、可愛いなぁ…………な』

「なにぃぃいい!!?」

倒れている近藤の襟を掴んで起き上がらせた。

「なんでてめーがココにいるんだよ!!」

「や、だから金を…」

「そうじゃねぇ!!お前がここにいるってことは土方仕事してんだろーがっ!誕生日ぐらい休ませろよっ!」

いい年の男に“誕生日だから”っていう理由で休ませるのも恥ずかしい話だ。

だけど、好きになって気付いたが土方は休みが少ない。

仕事がら土日休みなんて無理なのは分かっているが、週休二日どころか、週一すら休んでないこともある。

ごく個人的な理由で屯所を留守にする上司が一番の元凶じゃないかと思うと、このまま首をキュッと絞めてしまいたくなった。

「昔は何度も誕生日ぐらい休めって言ってたんだけど、いらねぇっていうから……」

『分かる。分かるけど……』

銀時は恒道館を飛び出した。



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