原作設定(補完)

□その4
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#39

作成:2015/04/30




椅子に座り片手で頬杖をついて考える。

銀時は土方十四郎のことが好きだった。

始めはなにもかも憎たらしいと思ってたのに、気付いてみれば、あの顔も融通の利かない性格も見た目より細い身体も全部魅力的に思えてくる。

いつもは目をつぶって瞼の裏に土方を思い浮かべるのだが、今日は目を開けてても土方が思い出せた。

というか、急に万事屋にやってきた土方が目の前にいるので見ているのは実物だ。

私服でやってきてソファーに座り、何も言わずモジモジしているように見える。

銀時はそれをじっと見ていた。怒られもせずこんなに眺めていられるチャンスはそうそうない。

ずっとこうしていたいと思ったが、決心したように顔を上げた土方が、こっちを見ず言った。

「……お前が……好きだ……」

本当なら飛び上がって喜ぶところなのだが、土方の向こう側に日めくりカレンダーが見えて判断に悩む。

「……それ、エイプリルフールの嘘?」

「えっ!?」

そう言われて驚いた土方が辺りを見回し、カレンダーを見て慌てる。

「ちっ、違うっ、これは、そのっ…」

言い訳をしようとしているようだが、急にシュンとなって立ち上がり、

「……出直してくる…」

そう言うので止める。

「いや、違うならいいんだけど」

「……」

赤くなってる土方に『まじでか』と思って、ようやく本当に嬉しくなった。

「俺も好きだよ」

そう答えてやると、土方はきょとんとしてから我に返り、

「…エイプリルフールか?」

と言いだしたので吹き出してしまった。

「お前のが嘘じゃないのに、嘘ついたらひでーヤツだろ」

土方の隣に座って抱きしめてやると、ガチガチに緊張してるみたいで余計に可愛くなった。

「…まじでか…」

「まじです。付き合った記念日がエイプリルフールとか俺ららしくね?」

ようやく土方が笑ったから、銀時は内心悶絶するぐらい嬉しくて、新八が帰ってきたのに気付かなかった。

扉が開いて、抱き合ってる2人を見て固まる新八。

言い訳のしようがないため、銀時は正直に言ってやった。

「俺達付き合うことにしたから」

「ちょっ、お前…」

土方が慌てるが、予想に反して新八は笑い出し、

「あはははは。だまされませんよ、エイプリルフールでしょ」

「ちっ、違うわぁぁああ!」

「またまた〜、土方さんまで一緒になって、体当たりの嘘ですね」

本気にしてもらえなかった。



一ヵ月後、あれ以来よく万事屋に遊びにくるようになった土方に新八は、本当に仲良くなったんだなぁと思っていたが、

「じゃあな」

「おう。………土方」

「ん?」

ちゅ

「……おまっ……」

「感触忘れる前に会いに来てね、ダーリン(はーと)」

「……ばーかっ……」

というバカップル目撃してしまい、固まってるところに銀時が戻ってきた。

「……まじでか……」

「だから、まじだって」

ようやく信じてもらえました。





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アホなカップルがアホなこと言ってるだけなので、
可哀想だから1ヶ月後は付け足しました。
抜けてる土方も可愛いっ。
…って、銀さんが言ってます(笑)


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