原作設定(補完)
□その2
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♯15
作成:2015/04/14 修正:2016/03/28
スタンド温泉から帰ってきた銀時はお土産持って屯所へやってきた。
大変な思いをしたのでヘトヘトだったが、だからこそ土方で癒されたいと思ったのだ。
が、その愛しい土方はいなかった。いたのは…
「やあ、坂田くん、久し振り。疲れた顔して大丈夫かい?」
「……どなた?」
銀時が留守にしている間に江戸では禁煙令が発令され、我慢できなくなった土方はふらりと旅行にでた。
そして戻ってきたときには禁煙のイライラによる短気な人を通り越し、温厚な人になってたという。
「土方さ〜ん。俺、今日は腹が痛くて見廻りいけそうにないんですよ〜」
「大丈夫か、総悟?俺が代わりに行くからお前は寝てなさい」
「土方さ〜ん、食欲ないけど完熟高級メロンなら食えそうなんです〜」
「買ってきてやるから、待ってなさい」
隊士(主に沖田)にコキ使われてニコニコしている土方を見つめた銀時は、隣で困った顔で腕組みしている近藤に問いかける。
「こんなんで仕事に影響ないわけ?」
「屯所の禁煙は解除したんだがなぁ」
現状を面白がってる沖田は反対したが、隊士たちが集まって“鬼の副長奪還作戦”に取り掛かった。
が、
「吸いません。みなさんにかける迷惑を考えたら禁煙を続けるべきです」
「そんなこと言わないで副長〜」
「タバコ吸ってる副長が大好きなんですよ!」
「……みんなで禁煙賛成だったじゃないですか。ひどいこと言われたし」
「そ、それはっ」
温厚になっても頑固なところは変わらないらしい。
うまくいかない説得にだんだんイライラしてきた銀時。こんな土方は、銀時の大好きなツンデレ女王様とは違う。
「いいから吸えって言ってるんじゃぁぁぁあああ!!」
と叫び、隊士が用意した煙草に火をつけ自分でおもいっきり吸い込むと、嫌そうな顔をしてる土方を捕まえて口移しで煙を注いでやった。
「〜〜〜〜〜〜っ」
飲み込んだのを確認して、煙草を口にくわえさせる。
うつむいたまま動かなかった土方だが、くわえた煙草を吸って吐いて繰り返すのが分かった。
そして、顔を上げたらいつもの土方の目になっていて、
「てめぇええ!!人前で何しやがんだぁぁああ!!」
「おまっ、人助けだろうがっ」
真っ赤になった土方が銀時と大乱闘するのを見て、隊士たちは『良かった、いつもの副長に戻ったぁ』と喜ぶのだった。
おわり
温厚土方のイメージは、イボ土方の“パシリのトシさん”
あ、私は煙草吸わないので「?」なシチュは見ないフリでお願いします。
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