原作設定(補完)
□その52
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#512
作成:2019/12/27
真選組の屯所に、
「いい加減にしろ!! なんでもかんでも好き勝手にやりやがって!! だったら俺だって……もうこんなとこ辞めてやる!!!」
土方の怒号が響き渡る。
ちょっと暖かな師走のことだった。
師走と言っても万事屋はほぼ通常運転。
ちょこちょこ依頼が入ってきて割と忙しいし、合間をぬって一応大掃除などしたり。
ちょっとひと休みしているところへ電話が鳴った。
「はいはい、万事屋銀ちゃん………なんだ、ジミーかよ……は? 土方くん? 来てねーけど? ……見てもいねーな。どうしたの? 事件? 事故? …………あ? それって家出? まーた怒られるようなこと何か……うわっ! うるせーよ、ゴリ! 急に変わって喚かないでくんない? …………だーかーらー、あんたがストーカー行為をやめてもっと局長らしくしてたら…………泣くなよ、ウザイから……はいはいはい、分かった。土方くん見かけたら、とにかく帰るように言うから……はいよ、じゃーな」
電話を受けた銀時はそう応対してから、深い溜め息をついて受話器を置く。
だいたい話の内容で何が起こっているのかは想像できるので、新八もやれやれという顔をする。
「真選組って変わってる人も多いから、土方さんは大変ですよね」
「ブラック企業アル」
「真面目だしなー、頑張りすぎちゃうんだろ」
しみじみと同情したあと、3人は部屋の隅っこに視線を向けた。
そこには寝ている定春と、定春にぎゅむーーーーっと抱き付いている土方の姿。
大変ご立腹で万事屋に乱入してくるなり定春に抱きつき、そのまま小1時間、そのまま動こうとしなかった。
こうなってしまっては何を言ってもう無駄なので静観するしかないし、定春も別に嫌がることもなくじっとしてくれている。
そんな中に、さっきの電話だ。
まあそんなとこだろうと思ってはいたが、上にも下にも問題児をかかえ、それでも我慢して頑張ってきた副長が我慢の限界を超えて、とうとうブチ切れてしまった、というところだろう。
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