原作設定(補完)

□その52
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#511

作成:2019/12/26




「……え…………まじでか……」

銀時は足元をじっと見つめ絶望に満ちたつぶやきをもらす。

足元……正確には、足の下にあるものは体重計。

風呂上りに乗ってみた体重計は、過去一、今まで見たことがない数字を差していた。

とは言っても常に体重を気にする婦女子とは違うので、測ってみるのも久々なのだが。

そしてなぜ絶望しているかというと、昨夜のこと……


「……重い……」

「え?」

「重い。てめー、太ったろ」

「…………あ、あの……こんな状況で言うことですかね?」

「乗っかられてる俺にはあるだろーが」

「……あ、そう……体重なんか計ってないから知らね」

「仕事もせずに自堕落な生活してるから太るんだ」

「自堕落な生活は否定しないけど仕事がなくて金もないから太るようなことは…………あ……」

「ソレだ」

「いや、だって……"クリスマスのケーキが余っちゃった"って言われたらそりゃ貰うでしょ、ケーキに罪はないでしょ。つーか、一個は多串くんが持ってきたんじゃん」

「てめーが買って来いって言ったんだろうが。何個だ」

「……はい?」

「結局何個食ったんだ」

「…………さん……よん……ご……かなー」

「ホールでか」

「…………いや……そんな、まさか……」

「ホールでだな」

「……はい……」

「公式設定では俺の体重プラス1kgがてめーの体重だ」

「……公式設定とか言っちゃう?」

「元に戻るまでおあずけだ」

「…………何を?」

「ナニをだ」

「えええぇぇぇぇぇ!!!? ちょっ、待っ……ええ!? 今か
ら!?」

「今から。今日はなにもしねーで寝る」

「まじでか! すでに銀さんの銀さんがギンギンさんなんですけど!?」

「てめーでなんとかしろ」

「二週間ぶりに会ったのに自分でしろってひど…………あ!! 俺が重くてイヤだっていうなら、多串くんが乗ってくれてもいいんだけど?」

「断る。おやすみ」

「多串くぅぅぅぅぅん!!!」



という、がっかりでしょんぼりなイチャイチャがあったからだ。

クリスマスにはかぶき町のあちこちで客寄せパーティーみたいなものが開かれたが、場所が場所だけに酒がメインで、そのつまみにケーキはいまいち不評だった。

なので、自他共に認める甘味好きの銀時、年中欠食児童の神楽にその処分が回ってきたのは歓喜すべきこと。

新八に小言を言われながらも天国のような時間のあとに、あんな地獄が待っていようとは。

銀時は自分のわき腹をむにっと掴んで深く溜め息をついた。

「しょうがねー……ダイエットするか……」




一月後。

「……軽い……」

「だろ? ちゃんとダイエットしました」

「……いや、ちょっと……軽すぎないか?」

「軽すぎ? いや、来る前に計ったときはちゃんと公式設定の体重だったけど」

「……そうか?」



余談。

「え!? 神楽ちゃんも体重計いじってたの!?」

「銀ちゃん、わき腹の肉がヒドイことになってたアル、ジャンプ元主人公としてあるまじき贅肉ネ………もしかして新八もアルか?」

「だって糖尿寸前だってのにあんなケーキ食べるから……つい……」

「……銀ちゃん頑張ってダイエットしてたけど……」

「痩せさせすぎちゃったかな、もしかして……」

お約束のオチ



 おわり



うう……自虐的な話になってしまった(笑)
ケーキは食ってないんですけどね……なんでだろうね……太るのは……
時系列は微妙なのですが、クリスマスの後、からの来年の話……になっちゃった。
イチャイチャと下ネタ! 頑張りました!(笑)

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