学園設定(補完)
□同級生−その5
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#110
作成:2020/01/03
「初詣行こうぜ」
「…………は?」
「だから、初詣」
「……今まで一度も行こうとしなかったくせに」
「だって寒いし」
「……じゃあなんで今年は行く気になったんだ」
「まあ、ほら、一日の計は元旦にあり、って言うだろ」
「一日でどうする。一年だ、一年」
「俺は今年は一日一日を大切にすることに決めたんだ」
「そうかよ。で? いつ行くんだ」
「今からに決まってんじゃん」
「……だろうな……だけどな……今、3時だぞ……朝の……」
「分かってるよ。だからこっそり誘いに来ただろ。ちゃんと家の人に配慮しました」
「俺にも配慮してくれ。というか、さっき年明けに"あけおめメール"寄越しただろうが。そんときに書けよ」
「書いたら断られると思って」
「当たり前だろ」
「だから直で来ました。ほら、喋ってると家の人が起きちゃうだろ、早く支度しろって」
「なんで家族にはそんなに配慮深いんだよ」
「う〜〜〜〜、サブイサブイサブイ」
「ほらカイロ」
「どうも…………っていくつ出すんだ」
「お前の分も付けてきたから、実はめっちゃ暑かったぁぁぁ」
「アホだな。で? どこに御参りに行くんだ」
「近所の寺でいいよ」
「…………すぐそこの? ちっちゃい寺?」
「うん」
「なんでだ」
「あ? なんでって……遠くまで行くのは面倒くさいし」
「だったら別に昼間でも良かっただろうが! あそこなら全然混まないだろ!」
「混まないっていうか…………人っ子一人いませんね」
「…………ひ、人がいなさすぎて逆に怖い……」
「でもほら、ちゃんとライトアップはしてるし……お参りはできそうだよ」
「……分かった。さっさとして帰ろうぜ」
「ほーい」
カランコロンカランコロン
「…………」
「…………」
「…………」(チラッ)
「…………」
「……なげーよ。どんだけたくさんお願いしてんだ。25円で粘るな」
「1個しかお願いしてませんんん」
「どんなお願いしたんだ」
「……ひ、人に言うと叶わなんだよ、知らねーの」
「……てめーの願い事は言わないと叶わねーと思うけどな」
「……は?」
「なんでこんな時間に俺を連れて御参りに来たんだ?」
「……な、なな、なにが? え?」
「どうしても俺を連れてこの寺で初詣に行ってお願いしたいことがあったんだろ?」
「……も、もしかして……知ってんの?」
「はぁ……てめーな……その話は誰から聞いたんだ?」
「沖田くんだけど…………ハッ!!! まさか……」
「ウソを教えたら真剣な表情をしてたんできっと誰かを誘う気だ、って教えてくれた」
「しかもウソなのか!!! ちくしょう、あのガキ!!!」
「1000年に一度の恋愛運のパワースポットで、意中のヤツを連れてくと両想いになれる……とか、信じるか?」
「だ、だって………………って、知ってたのになんで着いてきたの?」
「…………」
「土方?」
「……知らねーよ」(赤面)
「……し、知らないっておかしくね? ちょっ、待ちなさーい」
おわり
似たような話を書いた気がする……でもまあいいか……
学園設定だと行事ごとにイチャイチャが発生する……そんなもん。