学園設定(補完)

□同級生−その5
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#98

作成:2019/05/04




「十四郎! 誕生日おめでとう!!」

「……は?」

「じゃあ、早速だけどこれ書け!!」

"婚姻届" "夫になる人 坂田銀時" "妻になる人 (未記入)"

「……こ、婚姻届? ……つーか……お前……銀時?」

「なんで"?"だ! 見りゃ分かるだろ!」

「いや……言われてみれば分かるけど……最後に会ったの幼稚園んときだぞ。久しぶり」

「俺は全然久しぶりじゃないけどね!」

「あ? どっかで会ったっけ? つーか、12年ぶりに会って急に婚姻届って……」

「約束しただろ。ほら、早く書いて!」

「いいけど……でも保証人って未成年でもなれんのか? 奥さんに会ったこともねーのに……っていうか、結婚すんの? お前」

「"そっち"じゃねぇぇ!!」

「は?」

「ここに書くんだよ!」

"妻になる人"

「…………なんで俺がてめーの妻にならなきゃいけねーんだ……」

「約束したからだ!」

「約束? いつ?」



12年前

「十四郎! 俺と結婚して!」

「……子供は結婚できねーんだぞ」

「じゃあ大人になったら結婚する! 大人って何歳になったらなれる?」

「男は18歳から結婚できるぞ」(物知り)

「じゃあ18歳になったらな!」



「……って約束しただろうが!!」

「幼稚園のときじゃねぇか!!! 無効だ! 無効!!」

「させるかぁぁぁ!!! 俺は十四郎が結婚してくれるって言うから、学区が離れちまって小学校も中学校も同じとこ行けなくても、高校で再会して驚かせようと同じ学校受験したのに落ちても、ずーっとずーっと影から見つめるだけで我慢してきたんだぞ!!!」

「……ひ、久しぶりじゃないって……」

「12年間こっそりストーカーしてました!」

「怖ぇよ!!!」

「しょうがねぇだろ! 12年間、十四郎以上に可愛い子に会えなかったんだから!!」

「か、可愛っ……そんな理由で何一方的なこと押し付けてんだ」

「大事なことですぅ。それに、一方的でもねーよ?」

「あ?」

「十四郎が好きな子と幸せにしてんなら諦めるつもりだったし。モテモテで割と付き合ってみたりしてんのに、なんで長続きしねーの?」

「……そ、そんなとこも見てたのかよ……知らねーよ……向こうが別れたいって言ってくるんだし……」

「部活で忙しいなりにデートの時間とってたりしてんのに、なにが原因だよ」

「……"思ってたのと違った"とか"見た目とイメージが違う"とか……」

「見た目とかイメージとかで告ってくるヤツと付き合うからだよ。マヨラーなとこも、剣道バカなことも、ゴリラ好きなとこも、つまんない芸人のつまんないネタ好きなとこも、歌が微妙に下手なとこも、みんな可愛いのに」

「……銀時……そんなとこまで……」

「見てるだけしかできなかったからねー。十四郎は全然俺のことなんて思い出さないしぃ」

「……わ、悪い……」

「俺だったら十四郎のそんなところ、ぜぇぇぇぇぇぇんぶまるっと大好きで、十四郎のまんまでいて欲しいと思ってるから、結婚しよ?」

『コイツと一緒にいたら、みんなに"変だ"とか"嫌い"とか言われてることで落ち込まなくて済むのかな……子供の頃から優しかったしな……』

「…………ハッ!! っていうか、男同士は結婚できねーぞ?」

「分かってますぅ。だけど、男と女だってこの紙に書いて提出するだけじゃん。だから、"書いた"ってことが大事だと思わね?」

「……それも……そうか?」

「そうそう。じゃあ、はい。書いてくれる?」

「……ん…………や、役所には出すなよ」

「うん。"書いてくれた"だけでごっさ嬉しい」

「……そうか(照れ)……じゃあ………………ん? お前、誕生日いつだっけ?」

「10月だけど」

「だよな! じゃあ、てめーはまだ18じゃねーから結婚できねーだろーが!!」

「えぇぇぇぇ……そこ、大事ぃ?」

「てめーが言い出したことだろうが。だから……出直せ……」

「へ?」

「10月までてめーと一緒に居て結婚してもいいと思ったら……書いてやるから、出直してこい」(真っ赤)

「……十四郎……可愛いぃぃぃ!!」

「可愛いって言うなぁ!!」



 おわり



うーん……2人ともバカっぽい(笑)
3Z、逆3Zに合わせて"俺のものになって"的な話にしたかったんですが、
付き合ってすらいませんでした。あれぇ?

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