原作設定(補完)

□その50
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#492

作成:2019/09/18




「知ってますか、銀さん。今日は熱帯高気圧がうんぬんかんぬんで、江戸は今年一番の暑さになるそうですよ」

「まじでか! 勘弁してくれよ、もう9月だよ? 暦上は秋だよ?」

「銀ちゃん……昨日の夜は暑くてよく眠れなかったアル……」

「大丈夫? 今朝は食欲もなかったもんね」

「……すまねーな。栄養のつくもんを食わせてやれればいいんだけど、仕事がなくて……」

「……大丈夫アル。銀ちゃんが頑張ってるの、私、知ってるネ。だから気にしなくていいアル。ね、定春」

「わん!」

「ううっ……お前ら……俺がふがいねーばっかりに苦労ばかりかけて……」

「銀さんっ」

「銀ちゃんっ」

「必ず……必ずお前らを、涼しい部屋で腹いっぱい食わせてやるから……頑張るから、俺!」

「はい。待ってますよ、涼しい部屋で腹いっぱ食べられるのを」

「信じてるアル。涼しい部屋で腹いっぱい食べられるって」

「わぉ〜〜ん」


「人の部屋でわざとらしい寸劇してんじゃねぇぇぇぇぇ!!!」

「あれ? 土方くんじゃん。あ〜、涼しい……でも、もうちょっと温度下げていい?」

「土方さん、こんにちは。ここは涼しいですね」

「おい、ニコ中。まだ食堂は開かないアルか」

「わん!」

「ようするに冷房のある屯所に涼みに来て、飯まで食おうってハラだろうが! 定春まで連れてきやがって!」

「だって万事屋は暑いんだもん。食べ物もないんだもん」

「だもん、じゃねーよ! だから金が入ったからって無駄遣いせずに貯金しとけって……」

ぐぅぅぅぅ

「……トシぃ、お腹空いたネ……」

「……トシって呼ぶな……お前らには気の毒だが、屯所の飯を一般人に食わせるわけには……」

トントン

「副長。ちょっと早いですけど食堂を開けてくれるそうですよ」

「山崎ぃぃぃぃ!! 何余計なことしてんだ!!」

「え? でも、局長が可哀想だから開けてやれって……」

「きゃほぉぉぉぉう!! 行くよ、定春!」

「わん!」

「じゃあ、僕も行ってきますね」

「…………………はぁぁぁぁ」

「悪いねー、涼しいところで腹いっぱい食わせてもらって」

「…………ガキ共まで巻き込んで、なにしてんだてめーは」

「あ?」

「"仕事がない"だ? 昨日、三人でどっかの屋根修理してただろうが」

「あれ? 見てたの?」

「たまたま通りかかっただけだ。暑いのはともかく、飯は食えたのに何してんだ」

「おめーのせいだから」

「あ? なんで俺が……」

「こうやって2人で会えるの何日ぶりだと思ってんの?」

「…………さ、3週間ぐらい、かな?」

「27日と6時間!! 俺がしょんぼりしてるから芝居に付き合ってくれたのはあいつらの優しさだから!!」

「……ガキ共に心配されてんじゃねーよ……」

「だったらもうちょっと俺に優しくしてくださぁい」

「…………わ、悪かった……」

「ひひ。せっかく乗り込んできたんだからもうちょっとダラダラ一緒にいさせてね?」

「……仕事の邪魔はすんなよ……」



"食べ物が無くなったのでお昼の提供は中止します"

「ふぅぅぅぅ、食ったアルぅぅぅぅ」

「わぅ〜ん」

「す、すみません、土方さん……」

「……おい……」

「……はい……」

「てめーの心配してたんじゃなくて飯食いに来ただけじゃねーか」

「そう、みたいですね」


 おわり



万事屋+土方のイチャイチャ in 屯所(笑)

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