原作設定(補完)
□その45
16ページ/17ページ
#450
作成:2019/03/15
「…………」
「どうしたんですか銀さん、珍しく難しい顔して」
「……珍しいは余計じゃね?」
「いつもだらしない顔してる自覚ないアルか」
「……もういい」
「って言うか、最近、同じような話をしませんでしたか?」
「やめて。違う台本だから。繋がってないから」
「いいから、何があったかさっさと言うアル」
「……これなんだけどよ」
「あ! お菓子アル! 銀ちゃん、ズルイネ! 私にもちょうだ……」
「待て待て……これは、昨日留守で受け取れとれず、さっき再配達してもらった荷物の中身だ」
「ああ、さっき来てましたね。それがどうかしたんですか?」
「昨日ってことは……アレだろ……ホワイトデーの贈り物だと思うんだが……」
「ホワイトデー? あ、じゃあ、神楽ちゃん宛てじゃないんですか」
「私のアルか!? じゃあ、食べ……」
「だーかーらー、待ってっての。あて先は間違いなく俺でっす」
「…………銀さん……誰かにチョコ上げたんですか?」
「……上げてない……」
「上げてないのにお返しが届いた……となると……」
「罠アル。誰かがいやしんぼの銀ちゃんを殺そうと菓子に毒を仕込んだアル」
「だろ? もしかしてそうなんじゃねーかと……」
「いや、でも、わざわざホワイトデーに仕込みますか? 銀さんなら別の日だって毒入り菓子を食べてくれそうですよ」
「そうアルな……銀ちゃんなら金の無い時ならすぐ食いそうネ」
「それはお前もな」
「私はそんなマヌケじゃないアル」
「ついさっきこれを見てすぐ食べようとしたよね? 止めなきゃ食べてたよね?」
「私は毒ぐらいじゃ死なないアル」
「どんな毒か分からないんだから、神楽ちゃんだって油断しちゃだめだよ」
「ちぇーっ」
「というか、銀さん。毒を盛られる心当たりがあるんですか?」
「……心当たり……」
「分かったネ! バレンタインにチョコを上げたのに、冷たくあしらわれた女からの復讐アル!」
「……それはねーよ」
「……ないですね」
「なんでアルか」
「……チョコ……貰ってないし……」
「……誰からも……」
「…………ごめんアル」
「……え、えっと……というか、箱、開けてみませんか? もしかしてメッセージとか、ヒントとかあるかもしれないですよ」
「開けた途端に毒ガスが……」
「あんたどんな恨み買ってんだ!!」
「大丈夫アル」
「え? 神楽ちゃん、毒ガスの匂いが分かるの?」
「銀ちゃんが殺られた後に確認しておくアル」
「意味ないよね、それ!」
「大げさですよ。そんなわけないじゃないですか。だから開けてみましょうよ」
「…………わ、分かった……」
「オラ、わくわくすっぞ!」
「あ、開けるぞ」
「は、はい」
ガサゴソ、ぱかーっ
「…………毒ガスは無かったですね」
「(くんくん)……高そうなカステラの匂いがするネ」
「…………」
「……だけど、一緒に入ってるの……」
「マヨネーズアル」
「…………」
「ぼく、カステラとマヨネーズをセットにして送ってくるような人、一人しか知りません」
「マヨラーアル」
「…………」
「銀さん? なんで土方さんからホワイトデーに菓子が送られてくるんですか?」
「し、知らない」
「銀ちゃん、顔が真っ赤ある」
「し、知りませんんんん!!! あ! 俺、用事があったのを思い出した! ちょっと出かけてきます!!」(逃走)
「……ちゃんと菓子持ってったアルな」
「なんにも誤魔化しきれてないよね」
.