原作設定(補完)

□その45
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#450

作成:2019/03/15




「…………」

「どうしたんですか銀さん、珍しく難しい顔して」

「……珍しいは余計じゃね?」

「いつもだらしない顔してる自覚ないアルか」

「……もういい」

「って言うか、最近、同じような話をしませんでしたか?」

「やめて。違う台本だから。繋がってないから」

「いいから、何があったかさっさと言うアル」

「……これなんだけどよ」

「あ! お菓子アル! 銀ちゃん、ズルイネ! 私にもちょうだ……」

「待て待て……これは、昨日留守で受け取れとれず、さっき再配達してもらった荷物の中身だ」

「ああ、さっき来てましたね。それがどうかしたんですか?」

「昨日ってことは……アレだろ……ホワイトデーの贈り物だと思うんだが……」

「ホワイトデー? あ、じゃあ、神楽ちゃん宛てじゃないんですか」

「私のアルか!? じゃあ、食べ……」

「だーかーらー、待ってっての。あて先は間違いなく俺でっす」

「…………銀さん……誰かにチョコ上げたんですか?」

「……上げてない……」

「上げてないのにお返しが届いた……となると……」

「罠アル。誰かがいやしんぼの銀ちゃんを殺そうと菓子に毒を仕込んだアル」

「だろ? もしかしてそうなんじゃねーかと……」

「いや、でも、わざわざホワイトデーに仕込みますか? 銀さんなら別の日だって毒入り菓子を食べてくれそうですよ」

「そうアルな……銀ちゃんなら金の無い時ならすぐ食いそうネ」

「それはお前もな」

「私はそんなマヌケじゃないアル」

「ついさっきこれを見てすぐ食べようとしたよね? 止めなきゃ食べてたよね?」

「私は毒ぐらいじゃ死なないアル」

「どんな毒か分からないんだから、神楽ちゃんだって油断しちゃだめだよ」

「ちぇーっ」

「というか、銀さん。毒を盛られる心当たりがあるんですか?」

「……心当たり……」

「分かったネ! バレンタインにチョコを上げたのに、冷たくあしらわれた女からの復讐アル!」

「……それはねーよ」

「……ないですね」

「なんでアルか」

「……チョコ……貰ってないし……」

「……誰からも……」

「…………ごめんアル」

「……え、えっと……というか、箱、開けてみませんか? もしかしてメッセージとか、ヒントとかあるかもしれないですよ」

「開けた途端に毒ガスが……」

「あんたどんな恨み買ってんだ!!」

「大丈夫アル」

「え? 神楽ちゃん、毒ガスの匂いが分かるの?」

「銀ちゃんが殺られた後に確認しておくアル」

「意味ないよね、それ!」

「大げさですよ。そんなわけないじゃないですか。だから開けてみましょうよ」

「…………わ、分かった……」

「オラ、わくわくすっぞ!」

「あ、開けるぞ」

「は、はい」

ガサゴソ、ぱかーっ

「…………毒ガスは無かったですね」

「(くんくん)……高そうなカステラの匂いがするネ」

「…………」

「……だけど、一緒に入ってるの……」

「マヨネーズアル」

「…………」

「ぼく、カステラとマヨネーズをセットにして送ってくるような人、一人しか知りません」

「マヨラーアル」

「…………」

「銀さん? なんで土方さんからホワイトデーに菓子が送られてくるんですか?」

「し、知らない」

「銀ちゃん、顔が真っ赤ある」

「し、知りませんんんん!!! あ! 俺、用事があったのを思い出した! ちょっと出かけてきます!!」(逃走)

「……ちゃんと菓子持ってったアルな」

「なんにも誤魔化しきれてないよね」



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