原作設定(補完)
□その44
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#431
作成:2019/01/02
新年早々、土方は副長室で"煙草臭い"霧を発生させ真っ白にしていた。
注意しても小言を言っても無駄なので、こういう時は誰も副長室には近づかないようにしている。
つまりは機嫌が悪いのだ。
まあ割と"機嫌が悪い"が通常運行の土方だったけれど、先月あたりから特に悪く、悪いまま年を明けていた。
他の隊士たちはともかく、土方に接することの多い山崎は声が掛けにくくて困っていたのだが、事情を説明してくれる者が歩いて来てくれた。
さっそく襖の向こうの土方に伝える。
「あのう、副長、すみません」
「…………なんだ」
「新八くんとチャイナ娘が来てるんですが……」
「…………誰だって?」
「万事屋の新八くんとチャイ……」
言い直す前に襖が開いて、土方と大量の煙が廊下に出て来る。
「どこだ」
「ゴホッゴホッ……こ、ここには連れて来ないほうがいいかと思ったので食堂に……」
「……なんで食堂だ」
理由はすぐに分かった。
昼食直前だったので良い匂いがしたのだろう。
二人……とくに神楽がガツガツと遠慮なく飯をかっ食らっていた。
屯所内の食堂なので隊士たちの分しか用意されていないため、この分だと十数名が足りなくなりそうだ。
一応遠慮しながら食べていた新八が土方に気付いて立ち上がり、まずは新年の挨拶。
「あ、土方さん。あけましておめでとうございます」
「はへはしてほへへほうはふ」
口いっぱいに食い物が入ったままで喋れていないが、神楽もちゃんと挨拶をしているようだ。
「……おめでとう……そんなことを言うために来たのか?」
土方がそう訊ねると、神楽が口の中のを飲み込んでからいつもの憎まれ口をたたく。
「んなわけねーだろ。ついでアル、ついで」
「……なんのついでだ。飯のついでか」
「飯はついでのついでアル」
そう言って神楽は再び飯に集中しはじめたので、新八が説明してくれた。
「あの……銀さんの元気がないんです」
他の隊士たちが聞いたら「え? なんでそんな話を副長に?」と言いたくなりそうな話だが、幸い他の隊士たちはまだ居ない。
土方と銀時が付き合っていることを知っている山崎でさえ、なんだろうという顔をしている。
だが土方の方も興味ないという顔で、
「……ふーん」
そう言ったので、新八は手がかりを得るためまずここに来たのは正解だと知った。
本人は否定しても最近の銀時が落ち込む原因はほぼ一つだったのだ。
このまま銀時が落ち込んでいると仕事にならないし、鬱陶しい。
ならば"原因"に動いてもらうしかない。
「……お忙しいとは思いますが、時間があったら銀さんに会って貰えませんか」
頼む新八に対して土方は安定のポーカーフェイスでかわそうとするが、
「あいにく忙し……」
「副長」
事態を察した山崎が助け舟を出してくれた。
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