原作設定(補完)

□その42
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#418

作成:2018/11/20




公園の砂場で小さな男の子と女の子が遊んでいた。

赤く染まり始めた空を見上げ女の子が、

「もう暗くなるから帰ろうよ」

そう声を掛けるが、男の子は渾身の出来である砂の城作りに熱心で返事もしない。

もう一度声をかけたがやっぱり返事をしないので、よくあることなのか女の子は諦めてしゃがみ込む。

今日は冬を目前にかなり冷え込み、女の子は冷たくなった手にはぁと息を吐いた。

それに気付いた男の子は立ち上がって両手に付いた砂を服で払い、女の子に手を差し出す。

「なあに?」

「手、冷たいんだろ」

照れくさそうに男の子がそう言うと、女の子は嬉しそうに笑ってその手を掴み、2人は仲良く家に帰って行った。



その様子を少し離れたベンチで、自動販売機で買った"おしるこ 砂糖増量中"と"マヨラー御用達 マヨ入りコーヒー"を飲む大人2人が見ていた。

仕事で忙しい土方を誘い、つかの間の逢瀬をクソ寒い公園で金欠のため侘しい缶ドリンクで堪能していた銀時。

辺りが静かになるとおしるこの缶をベンチの上に置き、正面を向いたまま口を開く。

「土方」

めったに見れない真面目な顔をしているが、土方のほうは微妙な表情で銀時を見る。

案の定銀時は、

「手、冷たいだろ」

なんて言って手を差し出してきた。

「……てめー、ガキの口説き文句パクって情けなくねーのか」

「……じゃあ、大人だから全身暖めちゃろぉぉぉ!!」

呆れる土方に銀時はそう叫んで抱きつこうとしたのだが、それも想定済みだったのか腹を殴られ阻止された。

うずくまりながら一応抗議はしてみるが、

「うごぉぉ……に、二週間全然まったくちっともゆっくり会えなくて、こんなささやかな公園デートで我慢してる俺にサービスしようっていう心遣いはないんですか……」

土方にはスルーされた。

やっぱり無理か、と思いながら銀時が身体を起こして冷えてしまったおしるこ飲んでると、ベンチに置いた手が温かくなる。

「てめーのほうが冷たいだろうが」

土方がそう言って手を握り締めていてくれたのだ。

本当はちょーーーっとは悪いと思ってくれているのに素直になれないところが可愛くて仕方ないので、

「全身暖めてくれてもいいよ」

からかうように言って、銀時は嬉しそうに笑った。


 おわり



寒くなってきたので使えるネタをメモ帳から発見。
…………ホントに、うちの2人はエロイ色気がちっともないですね。
お子様並みですみません(笑)

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