原作設定(補完)
□その42
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#414
作成:2018/11/05
「神楽ちゃん、明日誕生日だよね。好きなもの作ってあげるけど何がいい?」
「……新八ぃ、めんどくさがるんじゃねーアル。何も聞かずにサプライズで好きなもの作ってくれるのが良い男ってもんネ」
「そ、そうだね。ごめん」
「でも嬉しいアル! お前の得意なもんで我慢してやるヨ!」
「はは。うん、楽しみにしてて」
「じゃあ、俺は何も聞かずにサプライズで楽しませてやるからな」
「銀ちゃん、まじでか! 楽しみアル!」
「明日は夜更かししていいぞ」
「え…………あー、夜は出かけるからダメネ」
「は? 夜に? 女の子が夜に出歩くなんてダメに決まってんだろ」
「なぜアルか」
「なぜって危な…………くねーか」
「そうアル。心配ないネ」
「ちょ、ちょっと待って。でも心配だよ。どこに行くの? 誰かと一緒? 昼間じゃダメなの?」
「一緒だけど……仕事があるから夜しか空いてないから仕方ないアル」
「し、仕事? 大人の人? まさか……お、男の人じゃ……」
「……秘密アル」
11月3日。
「はぁぁぁぁ、食ったアル! 新八、ありがとう! 美味かったネ!」
「お粗末さまー」
「じゃあ、私はそろそろ出かけるアル」
「……おう。いってらっしゃい。大丈夫だと思うけど、一応気をつけてな」
「分かってるネ。いってきまーす」
ガラガラ、ピシャン
「ぎ、ぎぎ、銀さん! 良いんですか、本当に一人で行かせちゃって!」
「おま、神楽だぞ。大丈夫に決まってんだろ」
「でも……」
「どうせつまんないオチに決まってんだからほっとけ。ふわぁぁぁ。昨日夜更かししちまったから俺はもう寝る。片付けたら黙って帰っていいぞ」
「…………ほんとに大丈夫かなぁ」
「♪ ♪」
『……スキップしてやがる……そんなに楽しみな相手なのかコノヤロー……』
↑和室の窓から外に抜け出してこっそり神楽を追う心配性の保護者
『子供を夜に呼び出すなんてロクなヤツじゃねーだろ。いくらあいつが怪力で暴力的で口が達者でも、まだまだ色気より食い気な年頃なんだよ。相手の顔を拝んでやる。場合によっては実力行使も辞さな…………え……』
「お待たせアル〜」
「悪かったな、こんな時間になっちまって」
『ひ、ひひひひ、土方くんんんんん!?』
「真選組は忙しいから仕方ないアル」
「じゃあ行くか」
『えええぇぇぇぇ!? どういうこと!? なんで土方くんが神楽と 待ち合わせるわけぇぇぇ!?』
「きゃほぉぉぉぉ! ずっと行ってみたかったアル! ものごっさ楽しみネ!」
『神楽ちゃぁぁぁん! 俺や新八が祝ってやるより嬉しそうじゃねぇか! まさか……本当に土方くんと…… あ、ヤバイ、着いて行かなくちゃ…………ああ、神楽のやつ土方くんと腕なんか組んじゃって………………え、ちょっと、どこ行く気? そっちは……や、やらしいことする宿がいっぱいあるとこで……あの角を曲がったら……曲がっちゃったら…………曲がったぁぁぁぁ!!! ど、どどどど、どうしよう! そうだ! 止めよう! 神楽から土方くんを守……違う、土方くんから神楽を守……も、違う気がする! とにかくなんとかしなきゃ………………ん?』
「うわぁぁぁぁ、ホントアル! 24時間営業のデカイ駄菓子屋なんて、夢のようアル!」
「だろ。一般にも販売する問屋なんだけどな、この店があるせいで総悟がいつでも菓子を食ってて困ってんだ」
(ズコォォォォ!!!)←静かに盛大にずっこける銀時
『駄菓子屋!? 紛らわしいとこに紛らわしいもの作ってんじゃねぇぇぇぇ!!!』
「トシちゃん! これも買って良いアルか!?」
「おう。遠慮すんな」
『…………でもなんか仲良し……土方くんも神楽に優しくするのは何かあるのもしれない……神楽もまんざらじゃないような気がしないでもないような気もする……まじでかー……』(しょんぼり)
「何でも好きなもん買って良いから……あのことは内緒だぞ」
「言わないアル。トシちゃんがずーっと銀ちゃんに片想いしてることなんて」
「…………頼むぞ」
はぴば、神楽ちゃん!
おわり
土方と仲良くしてる神楽って可愛いよね。
実は原作の2年後を読んでません。
なので成長した神楽も、あのちっさい神楽に似た子の正体も知りません。
私にとって神楽はずっと、酢昆布食ってるゲロインなの、それでいいの。