原作設定(補完)
□その42
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#412
作成:2018/11/01
「おい、万事屋、起きろ」
「んー……店の開店時間は昼でいいからまだ寝る……」
「昼だと? もっと真面目に働けコラァ! …………って、違う、そうじゃなくて、いいから起きろ!!」
「いてっ! んあ? 土方くん? …………ここどこ?」
「だから起きろって言ってるんだ。お前の差し金じゃないだろうな」
「へ? 何が?」
「アレを見ろ」
「…………"好きな人の名前を叫ばないと出れない部屋"?」
「どういうことだ」
「いやいやいや、俺は知らないから。何かで流行ってたみたいだけど、なんでソレがここに?」
「知らねー。ドアには鍵が掛かっていて開かねーし、他に出口もねーみてーだ」
「えー、ちょっと困るんですけどぉ、仕事があるんだからぁ」
「さっき昼まで寝てるって言ったてただろうが!」
「は? そんなこと言ってませんんん」
「…………本当にてめーじゃないのか?」
「違うってば」
「……じゃあ……総悟だな!!」
「そんなワンパタ……」
「言いがかりでさぁ」
「総悟!? どこだ!?」
「外でさぁ。土方さんを探しに来たってのに、俺を疑うなんてひでえや」
「そ、そうか……疑って悪……」
「沖田くーん、なんで土方くんがここに居るって分かったの?」
「あれぇ、旦那も一緒ですかぃ?」
「ここ見覚えのない場所だし、連れ込まれた記憶もないんだけどねぇ、どうやって見つけたの?」
「…………」
「……おい、総悟? どういうことだ?」
「それはともかく、早く出て来てくれねーと近藤さんが心配しますぜぃ」
「ともかくってどういうことだコラァ! やっぱりてめーじゃねぇか!!」
「怒っても無理じゃない? ここは沖田くんのルールに従うしかないみたいですよ」
「総悟のルール?」
「アレアレ」
「……好きな人の名前を叫ぶ……」
「え? 何か書いてあるんですかぃ? だったら早くここを出てきてくだせぇ」
「てめーわざとらしいぞ!!」
「土方くん、沖田くんは怒って言うことを聞くタイプじゃないんじゃない」
「耳タコでさぁ」
「……じゃ、じゃあどうすれば……」
「指示に従うしかないんじゃないの? そのほうが早い」
「さすが旦那、よく分かってらっしゃる」
「指示って……す、好きなヤツをココで言わなくちゃいけねーんだぞ」
「……そうねー……まあ、言わなきゃ出られないって言うならやぶさかではないけど」
「ほら、旦那は協力的ですぜ。土方さんも観念して言っちまったらどうですかぃ」
「……総悟、てめー……知ってんだろ」
「はあ? 何をですかぃ?」
「知っててこんな真似をしたんだろうが!」
「嫌だなぁ、俺がそんなことをして何のメリットがあるんで?」
「本人の前で言わせて俺に恥をかかせて楽しもうっていうメリットがあるだろうが!!!!」
「あれぇ、それじゃあ土方さんの好きな人が旦那みてーじゃねーですかぃ」
「…………ハッ!……」
「…………」
「…………っ…………」(ちらっ)
「ふぅ…………沖田くーん、言ったらちゃんと扉開くんだろうねー」
「そうでしょうねー」
「頼むよ、ホント…………じゃあ……土方十四郎!!!」
「!!?」
「……次、土方くんの番」
「……え……な、何……」
「土方くんも言わないと出れないでしょー」
「…………さ……坂田銀時……」
しーん
「あのさ、叫ばないとダメなんじゃない?」
「……う…………さ……坂田銀時!!」
ガチャ
「はぁ。開いた開いた」
「………な、なんで開くんだ」
「あ?」
「な、なんで……なんで開くんだよ。お、俺の……」
「沖田くんが絡んでる時点でバレてたに決まってんでしょ。お前も、俺も」
「…………ホントにか?」
「だから開いたんじゃね。つーか、開いたのに沖田くんが顔を見せないってことは逃げたみてーだし、暇ならお茶でもしませんかね」
「……わ、分かった……」(照れ)
おまけ
「こうなって嬉しいけど1つだけ不満があるんだよね」
「な、なんだよ」
「これで、俺に"バレてないと思って片想いにドキドキしたり焦ったりしてる土方くん"がもう見れなくなるじゃねーか……いてっ、蹴らないでっ」
おわり
手抜きはラクだけど、みんなに本当に通じてるかが不安。
いつも土方さんを一人でヤキモキさせちゃってすみません。
……悶々とする土方さんが好きなんです(笑)