原作設定(補完)

□その42
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#411

作成:2018/10/31




想像してください。

玄関の扉を開けたら、大好きな子が黒い魔法使いのミニスカコスプレをして、

「ト、トリック オア トリート」

と恥ずかしそうに言ったら、どうしますか?



1時間前・屯所

「ドンドンドンパフパフ、罰ゲームは土方さーん」

パチパチパチパチ

「ちょ、ちょっと待て!」

「なんですかぃ。結果の出たゲームに待ったはなしですぜい」

「ば、罰ゲームは鉄之助に決まってるから俺は参加するだけでいいって……」(小声)

「あれぇ、土方さんともあろう者が、そんな八百長ゲームに参加したかったんですかぃ」

『や、やられたぁぁぁぁ!! 初めからそのつもりだったな、こいつら!!』

「というわけで、罰ゲームはハロウィンにちなんで、この衣装を着てお菓子を貰うか買うかしてきてくだせぇ」

「………」

『……魔法使いの衣装か? ……黒いだけマシか…… これ以上文句言ったって聞かないし、白けるだけだし、さっさと終わらせちまうか……』

ゴソゴソゴソゴソ……

「……おい、こら」

「なんですかぃ。着方が分からないんで?」

「た、丈が短いだろうが! ミニになっちまうぞ!」

「あー、鉄之助だったらジャストサイズだったんですけどねぇ、土方さんは背が高けぇから仕方ねーでしょ」

「だ、だったらやっぱり鉄之助に着せたほうが……」

「すみません、副長! 嫌っす!!」

「だそうですぜぃ」

『こ、こいつら……覚えてろよコラァ!!』

「途中はコートを着てもいいですが、ちゃんとその格好で対応してくだせぇよ。じゃあ、いってらっしゃーい」

「「「いってらっしゃい!」」」



『買って帰ればいいかと思ったが、こんな格好(ミニスカ)じゃ店にも入れねーぞ。ハロウィンらしく貰うって言ったってどこに行きゃあいいんだ……!! そうだ! 万事屋がチャイナの友達のために菓子を用意するって言ってたな。ちょっと遅いけど、あいつのことだから自分の分に多めに買っただろうから残ってるかもしれねぇ……あ、あいつにならギリギリ見せられる……か? くそっ、きっと喜ばせることになるだろうけど、事情を説明すりゃ協力してくれんだろ……他にいねーし……行ってみるか……』




「……なんですかその格好……」

「こ、これには事情があってな。ともかく、か、菓子を出せ」

「……お菓子は子供たちのために用意したんであって、多串くんは対象外ですぅ」

「そ、そんなこと言ってる場合じゃねーんだよ。終わったから買って返すから、今は出してくれ!」

「でもぉ、銀さん、いたずらのほうがいいなぁ」

「そんなこと言ってる場合じゃねーって言ってんだろうが!!!」

「……怒った…」(しゅん)

「わ、悪い……分かった、いたずらも後でしてやるから、とりあえず菓子をくれ」

「まじでか……仕方ないなぁ、多串くんのために用意するかぁ」

「頼む」(ホッ)

「ちなみに、そのミニスカは多串くんの趣味?」

「んなわけねーだろ」

「だよね。ちょっと待ってて」

5分後

「はい、どうぞ」(大きい箱と、小さい箱)

「こんなに、いいのか?」

「うん。大きいのは組の連中にあげて。小さいのは多串くん用」

「俺はいいのに」

「多串くんにあげようと思って作っておいたんだから食べてよ」

「……分かった。ありがとう。じゃあ、帰る」

「お返しと、いたずらも忘れないでねぇ」

「おう」(笑)


『やっぱりあいつんとこ行って良かった。ホントに良いやつだなぁ……ちゃんと、い…いたずらしてやらねーとな』(照れ)




5時間前・万事屋

「トリック オア トリートぉ」

「……沖田くん、似合うね、その吸血鬼の衣装」

「どうも。じゃあ、菓子をくだせぇ」

「……はい」(子供用のを一袋)

「少ないでさぁ。そんなにいっぱいあるじゃねーですかぃ」

「これはね、神楽の友達のために用意したものなんだよ」

「もっとくれたらいい情報を教えてあげまさぁ」

「良い情報? ………じゃあ、はい」

「わぁい、旦那ありがとう(棒読み) 夜にきっと面白いもんが訪ねて来ますぜ」


土方帰宅後

『まったく、まぁた沖田くんに騙されちゃって仕方ない多串くんだなぁ。でも思ったとおり。特別製の菓子を用意しておいてよかった』


屯所

「ほらよ、菓子持ってきたぞ」

「お疲れさまです。意外と早かったですねぇ」

「……ふん、残念だったな、上手くいって。じゃあ、俺は部屋に戻るぞ」

「土方さんは菓子食っていかねーんで?」

「お、俺はいい。じゃあな」

「………」

「沖田隊長、食べましょうよ。旨そうですよ」

「スティックタイプのパイですね。手作りっぽいな」

「副長、もしかして恋人に作ってもらったんだったりして」

さくっ、ガリッ

「「「……うごがぁぁぁっ!!」」」

バタバタバタッ

「………パイの中に入ってるのは姉御のダークマターか。やるな旦那」(食べてない)


副長室

『マヨ入りクリームのシュークリームだ……うめぇ』



ハッピー、ハロウィン


 おわり



手抜きなのに長くなった……
でも明日に分けるわけにいかないので、一気に書きました。
土方さんのミニスカ魔女は各自想像してください。

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