原作設定(補完)

□その41
5ページ/25ページ




思いだせるのは、喧嘩をしている時の怒った顔と、仕事をしているときのすかした顔。

こんな顔をしているのは初めて見るので正直面白い。

なのでもっと他の顔も見たくなった。

「あのさぁ、土方くん」

土方は声をかけられたことと、目を開けて銀時が側にいたことに驚いた顔をした。

一瞬だけ。

すぐにいつもの素っ気無い顔で銀時を睨むが顔色は赤いままで、精一杯虚勢を張ってるのが丸分かりだ。

「こ、ここで何してんだコラァ!」

「……ちょっと聞きたいことがあってさ」

「な、なんだよ」

「土方くん、ホントに俺のこと好きなの?」

その話をされるんじゃないかと想像はしていたけれど、ズバリと言われて土方は思いきり動揺してしまう。

赤い顔を更に赤くして、でも必死に隠そうとして余計におかしくなっている。

「そ、そそ、そんなわけねーだろ! こ、ここ、このあいだのことなら、おお、俺は酔ってたしっ」

「でも神楽が、土方くんがしょっちゅう俺を見てた、って言うんだけどさぁ」

「そ、それは、そのっ……チャ、チャイナの気のせいだっ!」

そこまで動揺していたら説得力がないのに、一生懸命力説する土方を見ながら銀時は内心で微笑む。

土方からの一方的な告白は、面白がっていたのも事実だが、本音で言えば面倒だと思ったのも事実だった。

でも目の前を土方を見ていると、後者が消えて前者だけになっていく。

銀時が納得する言い訳を必死で考える土方に、

「土方くんが本気なら、付き合ってもいいかなって思うんだけど」

そう言ってみたら、土方は嬉しそうな顔をした。

それもすごく一瞬のことだったけれど銀時にはちゃんと見えていて、銀時の心がほっこりとする。

好意的に見れるようになると、すぐに素に戻って顔をしかめる土方さえ面白い。

「……な、なに……そんなわけ……」

土方は信じられないという表情だ。

それは銀時の日頃の行いが悪くて自業自得なので、態度で示してみることにした。

銀時を見れずにキョドキョドしている土方の頬に触れ、動かないように固定してから唇を重ねる。

確かめるように触れてから、

「うん。嫌じゃないからなんとかなるんじゃね」

銀時は満足そうに笑った。

だが、さすがに今度は平気なフリをすることができなくて、土方はぽかんとしたまま凍りついている。

こんなマヌケな顔も始めて見る、ととうとう銀時は吹き出してしまった。

が、土方はまだ我に返らないので、返ったときにどんな顔をするのか楽しみに待つことにする銀時だった。


 おわり



相変わらず中途半端(笑)
前にも同じようなオチを書いた気がするけど、
確認するには量が多すぎて……無理ぃぃぃ(笑)
うちの銀さんは単純なので、土方さんが可愛いとすぐその気になるな。
……ま、いいか、可愛いんだから仕方ない。

次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ