原作設定(補完)

□その41
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土方を追いかけていた銀時は、開いたままの副長室を覗いた。

部屋の隅っこで背中を向けて小さくなっている土方を見つけ、銀時は小さく溜め息をついて部屋に入ると襖を閉めた。

どうせ声をかけても顔をあげないだろうから、何も言わず近づいて背後に座り込む。

それが狙いだったのだが、何も言わない銀時に痺れを切らしたのは土方のほうだった。

躊躇いながらそーっと顔を上げて後ろをチラリ見し、銀時に見られていたのでさっと顔を反らす。

それでも銀時が何も言わないので、

「な、なんか言えよ」

焦れたようにそう呟いたので銀時は憎たらしい顔で笑って言った。

「何を?」

「き、聞きたいことがあるだろ」

「聞きたいこと?」

「…………それは……………」

「それは?」

「…………もういい! さっさと帰れ!」

短気で切れて怒鳴る土方に、"ああ、やっぱりいつもの土方だ"となんだかホッとした。

いつも喧嘩ばかりしていて怒った顔を見ていたのに、ずーっと自分の前で大人しく可愛くしている土方しか見てなかったのだから。

「嘘嘘、冗談です。いつから記憶戻ってたんだ? この前襲われたとき?」

「…………そうだ」

「なのになんで今日まで黙ってたの?」

「…………」

「近藤たちが心配してたの分かってたでしょー。土方くんのことも、密書のこともすごーく心配してたのにぃ」

「……わ、分かってるだろ……」

「分かんないなぁ、どうしてかなぁ」

にやけた顔で小賢しいことを言う銀時に、我慢していた土方も再び切れる。

どうせ銀時に口で勝てるわけがないし、言わずに知らないフリをしてくれることもない。

「てめーの側に居たかったからだよ!! 喧嘩もしねーで一緒にいられるなんてもう二度とねーから、もう少しだけ……一緒にいたくて……」

「なんで?」

『まだ言わせる気か、この腐れ天パァァァァ!!!』

と叫んでいるような顔を土方はしていたが、睨まれるのも凄まれるのも慣れているので銀時は平気だった。

なので結局は土方が白状するしかない。

「てめーが好きだからだよ!! これで満足かコラァァ!!」

だから密書の暗証番号に銀時の誕生日を入れた。

納得するのに充分すぎる回答を、真っ赤な顔で叫んでくれた土方に銀時は満足そうに笑う。

結局銀時は何も言ってくれなかったけれど、土方がずっと悩み続けてきた、とても理解してくれそうにない告白を聞いても笑っている顔を見て、土方は悔しいような嬉しいような気持ちになるのだった。

 おわり



一応、誕生日ネタ。
安直で分かりやすい話でしたが、ネタメモの最初のほうの話だったので、
書くことができて満足です。
あ、でも、銀さんのほうの気持ちはどうなったか書かずに終わっちゃったな。
もうだいぶ過ぎましたが、はっぴーばーすでー銀さん!

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