原作設定(補完)
□その40
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#398
作成:2018/08/11
非番の日の夜、土方は万事屋にやってきた。
薄暗くなってきた道を歩いて、屯所から万事屋まで往復するようになってから数ヶ月。
ホテルを利用するには便利だけどあれこれ気も使うので、子供たちを追い出してしまうのを申し訳なく思いながらも万事屋を利用することにした。
なので、明日子供たちが戻ってきてから用のお土産を持参し、いつものようにチャイムを鳴らさずに中に入った土方は、
「あ、土方さん、いらっしゃい」
物音に気付いて奥から新八が顔を出してそう言ったとき、驚いてギクシャクしてしまった。
「お、おう、じゃ、邪魔するぜ」
「それ何アルか? 土産アルか? 私のアルか?」
「ん」
いつも土産を買ってきてくれているのを分かっているので、神楽は土方が持っている紙袋に向かって飛びついてくる。
神楽が渡した紙袋に入っていた神楽用の酢昆布に夢中になっている間に、土方は新八に訊ねた。
「えっと……あいつは?」
「寝てます。朝から熱を出しちゃって」
そのため、心配で土方が来るまで残っていてくれたらしい。
大怪我をしてもヘラヘラしている銀時なので、土方もつられて心配になった。
「……風邪か?」
「いえ、たま〜〜にこういう熱出すんですよね。寝てればすぐ下がるんで大丈夫だって言うんですけど……」
理由がはっきりしないから余計に心配なんだ、という顔をしている。
今まで土方に会う時に熱を出したことがなかったからなのかもしれないが、初耳だった。
新八が和室の襖を開けてくれると、銀時が布団で寝ているのが見えた。
中に入って布団の脇に座り、首筋に触れてみるとまだ熱があるのが分かる。
顔も赤いし、話し声でも起きないのだから具合もまだ悪いようだ。
土方がじっと銀時を見つめているので、
「じゃあ、後お願いします。僕ら帰りますんで」
一応気を使ったのだろう、新八はそう言って予定通り神楽を連れて家に帰って行った。
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