原作設定(補完)
□その39
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#381
作成:2018/06/13
6月のある日の午後。
書類の整理で自室に詰めていた土方は、昼飯どころか朝飯も食べていないのを思い出し、
「……マヨだけじゃさすがに身体に悪いよな……アイツもうるせーし……なんか食ってくるか……」
仕事で忙しくした後、いつも痩せてしまうことに文句を言うもふもふが居るので、面倒くさそうに立ち上がる。
食堂に向かう途中、ふと思った。
『……近藤さん……いるかな……』
毎朝の会議ぐらいには参加しているものの、近藤と雑談的なこともしばらくしていない。
昼飯は終わっているかもしれないが、お茶で付き合ってくれないか聞いてみようと、近藤の部屋に向かおうとして足を止める。
屯所に居るはずのない人物が、近藤の部屋に入って行くのが見えたからだ。
『……万事屋?』
銀時と付き合ってることは真選組公認のため、訪ねてくればいれてくれるし居てもおかしくはない。
だが土方の部屋に来もせず、直接近藤につなぎを取るなんて。
ちらりと見えた銀時の顔が真剣だったのが気になって、土方はこっそり部屋に近づくと中の様子に聞き耳を立てる。
「……頼む、ゴリ……いや、近藤さん。本気で好きなんだ!」
「!」
さっき見た表情のままの真剣な声で、銀時はとんでもないことを言い出した。
「もうこれ以上は我慢できねー。だから、試させてくんねーか」
土方は頭の中でぐるぐると反芻しながら銀時の言葉の意味を考える。
『本気で好きってなんだ? 俺がいつも近藤さんの話ばっかりしてたら、“お前のおかげでゴリファンになりそうだよ”なんて嫌味いってたけど、嫌味じゃなかったのか? 俺よりも!? つーか、我慢できないって……試すって……近藤さんに何するつもりだコラァ!!!』
自分がされたことを思い出して青くなる土方に、誤解の音声が聞こえてきた。
「ちょっ……おいつ」
「優しくするから!」
自分のときもそんなことを言っていたな、と思ったら、土方は部屋の襖の前にたち、両手で勢いよく開けていた。
「万事屋っ、てめー……」
“俺というものがありながら”と続けそうになるのは、なんとか思いとどめた。
何しろ目の前では、土下座している銀時、その向かいで動揺する近藤がいる。
ついつい想像してしまった、“近藤に迫っている銀時”なんて状態ではないようだ。
『あれ?』
という顔をして動かない土方に見つめられて、土下座をしたまま動けない銀時の顔が真っ赤なのに気づいた近藤は、
「あー、トシ。すまんが外で待っててくれるか?」
そう助け船を出した。
「あ、ああ」
声をかけられてようやく“勘違い”だと我に返った土方は、そう答え慌てて部屋を出てから襖を閉める。
気分を落ち着かせようと煙草を吸っているあいだ、部屋の中からはごしょごしょと話し声が聞こえていた。
何やら相談していたようで、数分後、
「トシ、入っていいぞ」
と近藤に呼ばれ、不安になりながら再度部屋に入る。
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