原作設定(補完)
□その37
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#364
作成:2018/04/05
真選組屯所で不可解な事件が起きていた。
といっても、事件だと認識したのはしばらくあとで、最初はこんな感じだった。
「おい、山崎、起きろ。何してんだ」
「ふぁ? 副長? あれ? 俺、寝てました?」
土方が風呂から戻る途中、廊下で倒れていた山崎を見つけて起すと、起された山崎は寝惚けた顔で当たりを見回す。
「……大丈夫か? ずっと激務だったから、具合でも……」
「いやいやいや、大丈夫です、たぶん」
「……そうか。じゃあ風呂入ってゆっくり休めよ」
「はいっ!」
山崎が監察として頑張っているのを知っている土方が心配げに言うので、山崎は元気に返事をしてみせた。
その場は、疲れて寝てしまった、という多少強引な理由で解決させたのだが、1週間ほど経ったとき同じことが起こった。
「……山崎……本当に大丈夫か?」
「……はい……たぶん……」
自信なさげに答えられたが、このときもまだ山崎の体を心配しただけで終わった。
が、さらに一週間ほどあとに同じことが起きてしまい、その場で終わらせることができない事態だと気付く。
「どこかおかしいところはないのか? 潜入捜査の最中に捕まってなにかされたのを覚えてないとか」
「それはないと思うんですが……ただ、首がちょーーっと痛いです」
「首?」
「……もしかしたら誰かに殴られて気を失ったんじゃないかと……」
「屯所内で? おまえに気付かれずに?」
「……はい……」
山崎が見た目よりの優秀なことを踏まえたうえで、そんなことができる人間に侵入を許しているのかと思うと、本当にただ事ではなくなってしまった。
標的は間違いなく山崎限定だろうが、屯所に居るときを無差別に狙っているわけではなさそうだ。
次が必ずある、と考えて二人はその時を待つことにした。
土方たちも警戒していたせいか、"その時"、までだいぶ時間がかかり、二週間以上たったある日ようやく、廊下を歩いていた山崎の背後から手が伸びてくる。
その手を土方が掴み、ドスのきいた声で問い詰める。
「何してんだてめーコラァ」
侵入者が本当の賊であったなら問答無用で切り捨てることも考えていたのだが、そうする必要のない呆れた相手がそこにいた。
「…万事屋の旦那?」
現行犯で捕まってしまったので逃げ出すことができなかった銀時だてった。
すぐさま副長室に連行され、仁王立ちで怒っている土方の前に正座をさせられる。
「なんで山崎を気絶させたりしたんだ」
「…………」
「てめーの企みか? それとも誰かに依頼されたのか?」
「…………」
そっぽを向いて答えようとしない銀時に、土方は伝家の宝刀を抜いた。
「言わねーと……別れるぞ」
土方に激ラブラブでお情けで付き合って貰ってると思っている銀時にしか通用しない一言だが、あっさりと話し出す。
「それがぁ、実はジミーが銀魂男子一、イチモツがデカイとう話を聞きましてぇ、"お風呂でばったり"しちゃった土方くんがそれを見で"わーお"ってムラムラしちゃったり、あまつさえ具合を確かめちゃったりして"銀さんよりすごーい"なんて別れ話をされるんじゃな……」
銀時は至極真剣に心配して言ったのに、土方の怒りの手刀が脳天に叩き込まれた。
「どんな淫乱だ俺は!!!」
不法侵入、隊士への暴行を加えて、本気で怒られました。
おまけ
「つーか、あいつの裸なんて今まで何度も見てるっつーの」
「……でもぉ……」
「それによく考えてみろ。いくらモノがでかくたって、あの地味でモブ扱いのあいつに付いてんだぞ? ムラムラなんかするか」
「なるほど」(納得)
「……副長、ヒドイ……」(さめざめ)
おわり
下ネタかよ!
ここにきて銀魂腐女子が大喜びのネタをぶちこんでくる空知、サイコー(笑)