原作設定(補完)
□その36
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銀時の言うように、結婚をやめて小さい銀時を銀時に預け土方は真選組に残ったとする。
たまの休みに万事屋に行って5人で飯でも食べて……たら電話で呼び出されたり、たまの休みに5人で遊びに出かけ……たら電話で呼び出されたり。
そうしているうちに小さな銀時はお客の女に懐いたり、かぶき町で働く女に懐いたり、それをネタに銀時もその女に懐いたり。
土方の頭には、銀時と小さい銀時の隣に並らんで親子みたいな笑顔を見せる女の顔が浮かんだ。
「土方? どう……」
銀時がぼんやりしたまま黙ってしまった土方に声をかけようとしたら、急に怖い顔をして土方は隣の部屋に走って行った。
それから新八と神楽と遊んでいた小さい銀時をしっかりと抱き締め、
「コイツは俺から産まれたんだから俺の子だ! てめーとサチコ(仮)には渡さなねぇ!!」
「……は?」
「てめーはマサコ(仮)と幸せになれよ! コイツは俺が立派に育ててみせる!!」
涙ぐみながら小さい銀時を大事そうに抱える親心が伝わったのか、小さい銀時も土方をぎゅっと抱き締める。
その姿に新八と神楽もきゅんと胸を打たれ、それから銀時を睨みつけた。
「……銀さん……誰ですかサチコって。もう浮気宣言ですか」
「知らねーよ、サチコなんて」
「銀ちゃん、サイテーアル! 私はマサコを母親とは認めないアルからな!」
「だからマサコも知らねーっての!!」
土方を思って説得しようとしたのに、サイテーとまで言われた銀時はがっくりと肩を落とす。
きっと、とても銀時に失礼な想像をして悲しくなってしまい暴走した土方に、心外だなぁと思いながら近付いていって隣にしゃがんだ。
小さい銀時には"おかあさんをいじめた敵"認定されたのか睨まれてしまった。
「……サチコでもマサコでもかまわねーけど……土方の幸せに俺はいらねーの?」
「…………」
「お前ができるっていうなら、お前もコイツも、銀さんが幸せにしてやりてーんですけど」
土方が顔を上げて、難しい顔をして銀時を見る。
「ここから屯所に通って仕事できんの?」
「できる!」
「疲れてても帰ってきてコイツと遊んだり飯食ったりできる?」
「できる!」
土方はきっぱりと言ったけれど、土方の仕事と責任から考えたらおそらく毎日は無理だろう。
それでも土方がそう願うのなら、銀時だってできるだけのことをしてやりたいと思うわけで。
「……ぱっつぁん、神楽、そういうわけなんだけど……」
そのためには当然、新八と神楽の協力も必要なので、一応お伺いをたててみた。
ちゃんと説明しなくても二人は理解してくれたようで、
「マヨラとちっちゃい銀ちゃんもここで暮らすアルか?」
「そう」
「まじでか! 酢昆布食べ放題と、ちっちゃい銀ちゃんと遊び放題アル!」
「毎日土産に酢昆布は買ってこねーし、遊ぶときは手加減しろよ」
「大丈夫です、僕がちゃんと見てますから。土方さんも安心してお仕事してきてくださいね!」
協力する気満々で嬉しそうに笑った。
大人はいろいろ考えすぎて余計な気を回して遠回りしてしまったが、最初からそんな風に笑えばいいだけの話だったのだ。
銀時は改めて土方と小さい銀時を見て、にいっと嬉しそうに笑う。
「幾久しくお受けします。幸せにしてね(はーと)」
「……ま、まかせとけコラァ」
改まってプロポーズの返事なんかされたものだから、土方は今更ながらに恥ずかしくなってしまい顔を赤くしてそれに答えた。
ようやくいつもの土方になったので喜ぶ銀時と、土方が嬉しそうなので喜ぶ小さな銀時と、三人をゆるーく見守る新八と神楽。
唐突ではありますが、5人+1匹の家族生活がこの狭い万事屋で始まるのでした。
おわり
終わるのか!?……という声が聞える(笑)
だって……この後のことはメモに何も書いてなかったんだもの……
子供の名前すら決まってないんだもの……
小ネタが一個あるんですが、それだけじゃ明日の分は埋まらない……
浮かんだら書くかもしれませんが、とりあえず終わっておこう。