原作設定(補完)

□その35
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その日の夜、万事屋にうつむき加減で現れた土方に、昼間の痛みを思い出して身構える銀時だったが、

「……悪い……」

そう呟かれてホッと息をつく。

どうやらちゃんと戻っていて、事情も聞いているようだ。

事の次第を土方はまったく覚えておらず、薬のせいでもあるのだし罪悪感を感じる必要はないのだが、なんだかしょんぼりしている。

ので、銀時はぎゅーっと抱き締めてやった。

沖田に「旦那がすごくご立腹だった」と聞かされていたので、いくら銀時でも公衆の面前で殴り飛ばされれば怒りたくもなるだろうし、色々言われてしまうだろうとドキドキして来たのだが、

「……また殴る?」

ととぼけた声で言われたので、土方もようやく緊張を解く。

「殴らねーよ」

「良かった」

本当に全部薬のせいだったのだとちゃんと安心できた銀時の優しい声に、土方のほうも安堵する。

言い訳も詫びも必要ないという態度でいてくれるので、土方はまだ赤いままの頬に自分の頬を擦り寄らせる。

そんな土方の仕草はとても可愛いけれど、銀時は拗ねたように言ってやった。

「まあ、お詫びと言ってはなんだけど、明日の昼までゆっくりしていくこと」

「?」

「新八と神楽が誤解して俺に優しくするんだよぅ。誤解だって言っても信じてくれねーし。ちゃんと説明していきやがれ」

目撃者が多かったため"銀時が土方に殴られた"という話はすぐに二人にも伝わり、何故か"銀時が土方にフラれた"という結論に達していた。

事の顛末を一切合財、一生懸命説明したのに頑なに聞こうとしない二人を思い出し、銀時は苦々しい顔をしている。

が、新八と神楽が頑なだった理由を土方は知っていた。

銀時と付き合い始めたばかりのころ、二人に言われたのだ。

「土方さん!銀さんと付き合っちゃったってマジですか!?いいんですか!?大丈夫ですか!?」

「銀ちゃん、ものっそトッシーのこと好きネ!きっと一生別れてくれないアルよ!」

「ねちっこいですよ!しつこいですよ!ちょっとやそっとじゃ諦めませんよ!」

「どうしても別れたくなったときはブッ飛ばしてやるしかないアル!遠慮することないネ!」

という、えらい言われようでアドバイスをもらったのだ。

きっとそのことを覚えていて、土方が実行したと思われたに違いない。

内心で吹き出しながら、すべての責任は自分にあるので釈明する義務がある。

「……分かった」

そう答えた土方がなんとなく嬉しそうで、理由は分からないけれど銀時も笑ってもう一度抱き締めた。

痛い思いもしたし、新八と神楽に心外な同情もされたけれど、土方がぎゅっと抱き締め返してくれるこのささやかな時間のためだと思えば十分幸せな銀時だった。



 おわり



ネタメモ帳から、違う話を探していたんだけど、コレを見つけたので先に書いてみました。
なんでも有りの銀魂って、本当にネタに困らないよね(笑)
うちの銀さんは打たれ強いのでヒドイ目に合っても土方が好きだし、
我慢強いのでエロなんかなくても全然平気だよ!
銀時「そんなことは言ってねぇぇぇぇ!!!」
(笑)

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