学園設定(補完)
□逆3Z−その4
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だがこの気持ちのせいで見られていることをスルーすることもできなくなり、避けたり逃げたりするようになり、またあの夢を見るんじゃないかと睡眠不足にもなった。
坂田の視線を感じると胸がざわめき、言ってはいけないことを言ってしまいそうになる。
夢と現実の区別がつかなくなってきて、考えてはいけないことを考えてしまいそうになる。
『もしかして、坂田のせいであんな夢を見たんじゃなくて、俺がこんな気持ちになったから見たんじゃないか』
そう思い始めたら、なぜ坂田が自分をあれほど見ているのかまで気になってきた。
『もしかして、俺がこんな気持ちになったのは、坂田が"そういう"意味で俺を見ていたからじゃないか』
学級日誌を掴んだまま、モヤモヤと考えていたらまたぼーっとしていたのだろう。
「……い? ……せい ……土方っ」
名前を呼ばれて再度慌ててそちらを向くと、一番会いたくない、でもどこかで会いたいと思っていた銀髪がそこに立っていた。
しかも、夢の中で呼ばれていたように"土方"と言った。
不意打ちを食ったせいで土方は思わず、夢の中のように答えてしまう。
「万事屋っ……あ……」
夢の中で何度も呼んだ名前。
怒ったり、呆れたり、そして愛おしかったり。
坂田にとっては関係のない知らぬ呼称に、きょとんとしたあと怪訝な顔をされると思った。
が、坂田はきょとんとしたあと、にいっと嬉しそうに笑う。
「やっぱり土方だ」
「……は?」
土方のほうが怪訝そうな顔を浮かべていたら、徐に抱き締められた。
夢の中の坂田とは年齢も違うから体格も違うはずなのに、その暖かさに胸が締め付けられる。
懐かしさでとうとう現実との区別がつかなくなり、つい縋るように抱き締め返してしまった。
幸い職員室に他の教師はいない。
なんだかいろんなことがどうでもよくなってきてしまい、落ち着くまでこうしていたあと、先ほどの"やっぱり土方だ"の意味と、何度も見た夢の意味と原因を尋ねてみようと思う土方だった。
おわり
ホスト設定を牛虎で使ってしまったので、
逆3Zをどうしようかと悩み続けて、原作設定に落ち着きました。
夢オチ、前世オチ、というド定番でしたねぇ。
でもちょっとだけでもイチャイチャできたのでいいか。