原作設定(補完)

□その31
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それでも、銀時としてはこの理不尽な振る舞いに対して少しぐらい文句を言いたい。

「な、なんでって……土方がみんなに言うの嫌がったんだろうが……」

「嫌に決まってんだろ!総悟に知られてみろ!面白がられるは気持ち悪がられるは会うの邪魔されるは、ろくなことにならねーんだよ!!」

沖田にバレたときのしたり顔を想像するだけでうんざりする。

土方が他のやつらに付き合っていることを知られたくない理由を、いろいろ想像してしまった銀時だったが、原因は1つだと知ってホッとしてしまった。

「……もう、それはいいのか?」

「…仕方ねーだろ。てめーが言いたいんだったら…好きにしろ…」

不満そうな口調で言っても顔は赤くて全然嫌がっているように見えなかったら、銀時は久しぶりに笑うことができた。

問題は解決したかのように見えたが、

「どういうことアルか?」

背後から聞こえてきた神楽の声に、二人は気まずそうに振り替える。

「そ、それが、そのぅ……」

仲が悪いと思っていた二人なのに、急にケーキを大量に持って怪我の見舞いにきた土方、二人の話の内容から想像したのは、

「もしかして……お二人はそういう……関係なんですか?」

「そういうって何アルか?」

「だから……付き合ってるとか……そういう……」

「まじでか!」

興味津々で返事を待っている二人の視線に、大人二人のほうが狼狽してしまう。

「そ、そ……つーか、万事屋!てめーが説明しろよ!」

「ええぇぇぇ、土方くんがぶっちゃけに来てくれたんじゃないのぉぉ」

「お前んとこの身内だろうが!俺は俺であっちでも言わなくちゃいけねーんだぞ!」

図星で真っ赤になっておろおろしている様子を見ていた子供たちのほうが冷静になってきてしまった。

しらっとした顔で、

「もう分かったから良いアル。付き合ってられないネ」

「今日はうちに行こうか神楽ちゃん」

「そうするアル。中年カップルは勝手にやるがいいわ」

そう言って部屋を出て行ったが、ちゃっかりしてるのは二人らしい。

テーブルの上を見て土方が、

「おい。土産全部持って行かれたぞ」

そう呟くので見ると、置かれていた大量のケーキの箱が一緒に姿を消していた。

「あ!俺の見舞いのケーキぃぃぃ!!」

つい流れで追いかけていきそうになるが、銀時はそれを思い止めた。

怪我をしているのと、ケーキなんかよりもずっと甘い土方が居ることを思い出したからだ。

立ち上がったけれど椅子に座り直した銀時に土方は首を傾げる。

「? いいのか、ケーキ」

「うん。土方が居るからいいかなぁ、と」

そう笑って答えたら、土方は一瞬だけ素に照れたような表情をしてから、

「ケーキほど甘やかしゃあしねーけどな」

にいっと浮かべたいじめっこの笑顔も可愛いなぁと思う銀時だった。



おわり



もっとあっさりした話だったはずなのに、
子供たちをまじえて会話しようとすると長くなってしまうなぁ。
もっと銀魂っぽくしゃべって欲しいのですが、
自分でも「なんか違うな」と思いながら台詞を書いているので
変でもスルーしてください(笑)
銀さんにはいつももやもやうじうじしていて欲しい私。
そのほうが可愛いので(笑)

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