原作設定(補完)
□その31
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初めはたまたま夕食を取れなかったときに銀時に手料理を作ってもらうだけだったのだが、万事屋で食事をしたあとはすこぶる体調が良いことに気がついた。
いつもなら多忙のあとは食欲が湧かずに食事もままならなかったり、ましてや銀時に会って一盛り上がりしたあとなどは疲れて次の日大変だったり。
だが万事屋で食べる食事は残すこともなく次の日も元気でいられた。
なので銀時にはいつも夕食を作って欲しいなと思っていたが、なにせ万事屋である。
食材どころかマヨすら無いこともあって、土方が持参するしかなかった。
そういうしているうちに子供たちに二人のことがバレ、もうどうせなら全員で食事を取ってしまえと開き直って、現在に至る。
というわけで、大量の食材を買い込んで万事屋に来るのは完全に自分の為だったのだが、台所から漂ってくる良い匂いを嗅ぎながら、子供らもあんなに喜んでくれるし些細なことは「まあいいか」と思う土方だった。
一方、土方につかの間のスキンシップをした銀時は台所に入って考える。
『あの様子だとあんまり寝てねーな。食事もちゃんと取ってなかっただろうし、味付けは濃いめで栄養のあるもんがいいか。最近は食欲が戻ればある程度食べてくれるようになったから、肉もガツンと食ってもらうか』
神楽がテーブルに並べた土方の買ってきた食材を見ながらメニューを決める。
土方はなぜ体調が良くなるのか分かっていないようだが、実は銀時がちゃんとそうなるように献立を組み立てていた。
“ちょっと器用な男”だと過少評価しかしてくれないが、万事屋の仕事というのは割とオールマイティーに頭を使ってこなさないといけない仕事だった。
もちろん新八と神楽も、銀時がそういうことを知っているから、指示があるまでじっと待っている。
土方が楽しく元気に働いて、また万事屋を訪ねてきてくれるように協力しているのだ。
「さて、作りますか」
「はい!」
「まかせるアル!」
銀時はにいっと笑って号令をかけると、二人はやる気満々の返事をする。
土方が思っている以上に、ちゃんと家族の一員として愛されているのだった。
おまけ
「トッシー、トッシー、その卵焼き、私が焼いたネ!どうアルか?」
『……どうりで……卵の殻が入ってるはずだ……だけど……』
「うん、美味いよ」
「まじでか!」←ごっさ嬉しそう
ガリッ
「おいおい神楽ちゃん、卵の殻が入ってましたよ。おまっ、あんだけ毎日卵かけご飯食ってるくせに、まだ卵もちゃんと割れねーの?」
「!? トッシーのにも入ってたアルか?」
「……いや、入ってなかったぞ」
「良かったアル〜」
「って、殻が入ってたのは銀さんの卵になんですけど!?」
「銀ちゃんの分に入ってても別に良いアル。黙って食えよ」
「差別ぅぅぅ!
おわり
やっぱり全員でキャッキャウフフしてる話は楽しいな。