原作設定(補完)
□その31
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#306
作成:2017/10/03
「ごちそうさまでした。銀さん、すごく美味しかったです」
「どーしたしまして」
「また食べたいなぁ。作ってくださいね」
「ばーか。あんな材料に金のかかるもんはせいぜい1年に一回、お誕生日だから出てくるもんですぅぅ」
「じゃあ私の誕生日にはもっと美味しいもん作って欲しいアル!」
「はいはい」
「神楽ちゃんは11月だったっけ。まだまだ先だね」
「ええぇぇぇ、待ちきれないアル。あ!銀ちゃんの誕生日はいつアルか!」
「あ?俺の誕生日に俺が料理作るのかよ」
「そうアル!あと定春と、姉御と……」
「いや、勘弁してください。お前らだけで十分です」
「じゃあ銀さんのときには僕らがお祝いしてあげますから。いつなんですか?」
「……俺はいいよ」
「でも……」
「お誕生会なんて子供のうちだけの特権なんだよ。お前らもいつまでも祝ってもらえると思うんじゃありませんよ」
「ええぇぇぇ」
「……というわけなんですけど……土方さん、銀さんの誕生日知りませんか?」
「…………知らねーな」
「そうですか」
「そんなに気にすることか?アイツの言うとおり、誕生日なんて子供だけで十分だろ」
「……でも、銀さんはお祝いだってご馳走作ってくれたんですよ」
「私たちだって銀ちゃんの誕生日に何かして上げたいネ」
「……俺が聞いたって素直に教えちゃくれねーだろ。へんな所で意固地だからな」
「……そうなんですよ」(しょんぼり)
「…………ようするにアイツの気持ちが変わればいいんだろ。だったら……」
「……ぱっつぁん、何このケーキ」
「銀さん、お誕生日おめでとうございます!」
「……は? 誕生日じゃないですけど」
「はい。銀さんが教えてくれなかったんで、今日を銀さんの誕生日に決めたんです」
「はぁぁぁ?」
「別に本当の誕生日じゃなくても良いですよね。お祝いしたいって気持ちなんですから。だから今日でいいんです」
「……あ、そう」
「……神楽ちゃん、何この特盛宇治銀時丼」
「銀ちゃん、誕生日おめでとうアル!」
「……は? 誕生日じゃないですけど」
「銀ちゃんが教えてくれないから、今日を銀ちゃんの誕生日に決めたネ」
「……先週新八にもそんなこと言われたんですけど」
「新八は新八。私は私アル!」
「……あ、そう」
「……あれからいろんなヤツが急に俺の誕生日だって言って何だかんだ祝ってくれるようになったんだよね」
「へえ」
「で? 多串くん、このケーキは何ですかね」
「誕生日おめでとう」
「………もしかして多串くんの入れ知恵?」
「何がだ」
「………」
「………」
「…………あー、分かったよ、分かりました。教えればいいんだろうがっ」
「最初から素直に祝われとけ、この恥ずかしがり屋が」
「うるせー」
銀さん、ハピバ!
おわり
誕生日を祝って貰いたがってる銀さんも、
祝って貰いたがらない銀さんも、銀さんっぽいよね。