学園設定(補完)

□同級生−その3
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#62

作成:2017/12/29




除夜の鐘が鳴り響くお寺の境内。

「坂田さ〜ん、おまたせ〜」

「土方さん、こんばんは。やっぱり寒いわねぇ」

「あら、銀ちゃんは?」

「それがね、あの子、風邪引いちゃって。一緒に行くってきかないから縛り上げてベッドに突っ込んできたの(笑)」

「あら、残念ね。銀ちゃんの合格祈願だったのに」

「ねぇぇ。もしかして小さいころから続いてた土方さんちとの二年参りも今年が最後かもしれないのに」

「あら、最後なの?」

「だって、十四郎くんが推薦もらった高校は、うちの子、ギリギリだもの。合格できなかったら別な高校行くことになるし、そうなると別な友達もできてお正月も別になっちゃうわよ〜」

「そんなことないわよ。銀ちゃんなら合格できるから。ね、十四郎っ」

「…………たぶん」

「ほら、十四郎君だって保証できないわよ(笑)」

「十四郎!もう、あんたもしっかり銀ちゃんの合格を祈願しなさいっ」

「………」

「それにしても残念な。銀ちゃん、ここで振舞われる甘酒楽しみにしてたのに」

「あ、それは大丈夫。ホラ、保温できる容器持ってきたから。これに入れて持って買えればお土産になるわ」

「タダね(笑)」

「じゃあお参り行きましょうか」




「お参りも終わったし、どこかに寄っていきましょうか?」

「そうねぇ、どこも混んでるかしら」

「……母さん、俺、先に帰る」

「え? 一人で大丈夫?」

「大丈夫。母さんたちのほうこそ気をつけろよ」

「分かってますぅ」

「…………おばさん、それ、貸してください」

「それ? 保温容器? ……ああ。はい」

「ありがとうございます」

「銀時をよろしくね」

「…………っす」

「かわいぃぃぃ。十四郎君、良い子ねぇ」

「あの子なりに銀ちゃんと離れるのが嫌なのよ、きっと」

「ずっと一緒だったもんねぇ」




坂田家。

「……あ……鍵…………ま、いいか。金時(猫)の出入り口の窓が開いてるはずだから、そこから入ろ」


銀時の部屋。

「……ゼィゼィ……まだ帰ってこねーのかな……喉渇いたんですけどぉぉぉ…………ちぇっ……だから行けるって言ったのに……十四郎と初詣行きたかったなぁ……合格しねーと高校別になっちまうし……うぅぅ……」

ガタガタッ

「!!? し、下のリビングに誰か居る? 玄関開いてねーから母ちゃんじゃねーし……ま、まさか、どろぼ……」

ミシッミシッ

『……か、階段登ってくるぅぅぅ……ど、どうしよう……け、警察に連絡……あ、携帯机の上だ……』

キィィィ

『ぎゃぁぁぁぁ! 死ぬ前に十四郎に会いたかったぁぁぁぁ!』

「銀時?起きてるか?」

「!!!? ど、どぼじろおぉぉぉ!」

「うわっ、汚ねー顔っ!どうしたんだよっ」

かくかくしかじか

「ぶふっ、泥棒って……」

「し、仕方ねーだろっ、そう思っちまったんだからっ」

「まだ熱高ぇもんな。コレ飲んでもう一回寝ろよ」

「なに?」

「いつものやつ。貰ってきてやったぞ」

「甘酒!! ……あちっ……はぁぁぁぁ、うめぇぇぇぇ」

「ったく、風邪なんか引くからお参りに行けなかったんだぞ」

「風邪ぐらい誰だって引きますぅぅぅ」

「俺はもう何年も風邪なんか引いてねーし」

「……バ……」

「バカだからじゃねぇぇぇぇ!! 部活で鍛えてるからだよ!」

「はいはい、剣道部ね」

「おかげで高校推薦も貰えたし、てめーみたいに受験で苦労しないで済んだしっ」

「……ちぇっ……受験のない十四郎が元気で、勉強頑張ってる俺が風邪引くとか酷くね?」

「自分のせいだろうが」

「十四郎が俺の風邪を貰ってくれりゃいいんじゃん」

「…………分かった」

「へ?」

ちゅ〜〜〜〜っ

「…………!!!! な、ななな、何してっ……」

「キスすると風邪が移るっていうだろ」

「そ、そんなの、漫画…………っ…………」

しゅ〜〜〜〜っ、ばったり(←発熱、昏倒)

「銀時!!? おい!!? きゅ、救急車……じゃなくて、おばさんに電話っ……」




翌日。

「良かったなぁ、風邪治って。やっぱり俺のおかげ」

「……移ってねーだろーが」(キスを思い出し照れ)

「だから俺は風邪引かねーんだって」

「……バ……」

「馬鹿じゃねぇっつてんだろ!」



 おわり



中学3年生っていう設定ですね。
…………ハッ! 3Zも逆3Zもしてないちゅーが!(笑)

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